ロッテHD、AI創薬企業Metaphore社へ出資
株式会社ロッテホールディングスは、ヘルスケア・バイオ医薬領域のCVC(コーポレートベンチャーキャピタル:事業会社が自社の事業と関連するスタートアップ企業に投資する仕組み)を通じて、生成AI創薬企業であるMetaphore Biotechnologies, Inc.(以下、Metaphore社)への出資を実施しました。今回の出資は、ロッテホールディングスのHB-CVCによる通算10件目の投資となります。

AIと実験の融合が生む「画期的な創薬プラットフォーム」
2021年に米国の著名なベンチャーキャピタルによって設立されたMetaphore社は、前臨床段階(人間への投与前に、動物実験などで安全性や効果を確かめる段階)の創薬企業です。同社は、抗体に複雑な機能をプログラムすることで、抗体アゴニスト(細胞の表面などにある「受容体」に結合し、特定の生理反応を「活性化」させる物質)やマルチアゴニストをはじめとする、これまでにない作用メカニズムを持つバイオ医薬品の創薬に取り組んでいます。
Metaphore社のプラットフォームの画期的な点は、実験とAI/ML(機械学習:データから学習してパターンを見つけ出したり予測を行ったりする人工知能の技術)を組み合わせることにあります。従来の創薬方法が静的な構造データに依存していたのに対し、Metaphore社は生体内のタンパク質間相互作用(細胞内で2つ以上のタンパク質分子が結合し、影響を及ぼし合う現象)から直接学習します。これにより、薬としての優れた安全性と効果を兼ね備えた高品質な抗体を、わずか8〜16週間という短期間で設計することが可能になります。
未来の医療を変える可能性:具体的な新薬開発の展望
Metaphore社は、この革新的なプラットフォームを活用し、代謝性疾患、免疫疾患、および末梢動脈疾患といった、いまだ効果的な治療法が確立されていない深刻な医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)に対し、革新的な治療薬の開発を進めています。
特に注目されるのは、主要開発プログラムである短腸症候群(SBS:腸の大規模な切除などにより、栄養の吸収機能が著しく低下する重篤な疾患)を対象とした「GLP-2R作動薬」(GLP-2受容体という部分に作用して、腸の機能を助ける薬)です。この治療薬は、従来の標準治療で必要だった連日投与に対し、月に1回の投与による治療を目指して設計されています。これが実現すれば、患者さんの治療負担が大幅に軽減され、生活の質が向上することが期待されます。
さらに、肥満症を対象としたマルチターゲット作動薬の開発も進められており、その分野で初めて登場する画期的な新薬(ファーストインクラス)となる可能性を秘めた抗体治療薬として注目されています。
ロッテホールディングスが描くヘルスケアの未来
今回の出資は、最先端のバイオテクノロジーを通じて世界のヘルスケア課題の解決に貢献するというロッテホールディングスの継続的なコミットメントを示すものです。ロッテホールディングスは、Metaphore社の長期的なパートナーとして、命を救う革新的な医療イノベーションの創出に向けた成長を支援していきます。
ロッテホールディングスのバイオ事業責任者CVCマネージング・パートナーであるDr.ペク・ジュン氏は、「今回の投資は、プログラム可能な機能設計というMetaphore社の先駆的なアプローチに対する当社の強い信頼を反映したものです。同社の生細胞実験とAI/ML(機械学習)を統合した手法は、差別化された治療作用を持つ抗体の創出を実現し、これまで難しかった創薬ターゲットへのアプローチを可能にするポテンシャルを秘めています。」とコメントしています。
関連リンク
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株式会社ロッテホールディングスについて: https://lotte-hd.com/
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Metaphore Biotechnologies, Inc.について: https://www.metaphorebio.com/



