廃棄物が「黒色インク」に生まれ変わる!「.Garbon印刷所」が始動、循環型社会へ新たな一歩
現代社会において、多くの企業や自治体が廃棄物ゼロやカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、実質的な排出量をゼロにすること)を目標に掲げています。しかし、リサイクルが難しい廃棄物の処理は依然として大きな課題です。そんな中、株式会社Gabと株式会社ペーパーパレードが共同で、この課題に挑む新しい事業「.Garbon印刷所」をスタートさせました。
この取り組みでは、これまで焼却処分されていた製造端材などの廃棄物を「炭化」というプロセスで黒色顔料・インクへと変換し、その企業オリジナルの印刷物を制作します。石油由来の黒色顔料に代わるこの技術は、資源の循環を促進し、ものづくりの背景や企業の環境への姿勢を印刷物そのものを通じて伝えることを目指しています。

石油由来の黒に、新しい選択肢を
一般的に使用される黒色顔料やインクの多くは、石油を原料としています。しかし、石油資源を取り巻く環境は常に変動しており、代替素材の必要性が高まっています。
「.Garbon印刷所」は、企業や自治体から出るリサイクル困難な廃棄物を炭化し、黒色顔料・インクとして活用することで、この状況に新しい選択肢を提示します。これにより、石油由来原料への依存を減らすだけでなく、廃棄物の削減にも貢献します。

廃棄物がインクになるまで:サービス利用の流れ
「.Garbon印刷所」では、企業や自治体から提供された廃棄物から、オリジナルの黒色インクを使った印刷物を製作します。具体的な利用の流れは以下の通りです。
- 廃棄物の選定:企業から発生する廃棄物の種類、状態、量を確認します。必要に応じて少量のサンプルで炭化試験を行い、顔料としての発色や印刷への適性を検証します。
- 廃棄物の炭化と黒色顔料・インク化:選定された廃棄物を無酸素状態で熱分解する「炭化」というプロセスを経て、炭化物に変換します。この炭化物をさらに加工し、黒色顔料・インクにします。原料によって黒の質感に微妙な違いが生まれるのも特徴です。
- 印刷物のデザイン・制作:制作された黒色インクを用いて、カレンダーや名刺、コースター、ノベルティなど、活版印刷(版にインクをつけ、圧力をかけて紙に転写する印刷方法。紙に凹凸ができる特徴がある)を中心とした印刷物をデザイン・制作します。活版印刷ならではの手触りや、インクの濃淡、かすれといった一枚ごとの表情が、オリジナルの印刷物に深みを与えます。
活用したい廃棄物があるものの、何を作るか決まっていない場合でも、用途や予算に合わせて企画から提案を受けることが可能です。

共同事業の背景:GabとPaper Paradeの専門性
この革新的な事業は、株式会社Gabが廃棄物の選定、炭化、黒色顔料化を、株式会社ペーパーパレードがインク化、デザイン、印刷、制作を担うことで実現しました。両社の専門知識を組み合わせることで、企画段階から印刷の質や表現、企業が伝えたいメッセージまでを一貫して設計できる体制が整っています。
株式会社ペーパーパレードは、「紙と印刷、素材の《無限の可能性》を探求する」を原点に、サステナブルな領域でのデザインを手掛ける企業です。伝統工芸とテクノロジーを融合させ、素材の価値を転換するデザインを通じて、持続可能なブランド構築に取り組んでいます。
- 株式会社ペーパーパレード: https://paperparade.tokyo/

廃棄物由来の黒を体験:展示会情報
「.Garbon印刷所」による実際の印刷物を体験できる展示会が開催されます。
-
会期:2026年8月13日(木)〜8月19日(水)
-
時間:11:00〜20:00
-
入場料:無料
-
会場:渋谷ヒカリエ8階 8/CUBE
-
共同出展:株式会社ペーパーパレード、株式会社Gab
会場では、廃棄物由来の黒色顔料「.Garbon Black」を使って制作された活版印刷物を展示し、素材によって異なる黒の表情や、活版印刷ならではの手触りを直接確認できます。
「.Garbon」とは?:廃棄物を高付加価値素材へ変える技術
「.Garbon」は、リサイクルが難しい有機系廃棄物を「炭化」によって炭化物へ変換する新循環ソリューションです。これにより、これまで焼却され温室効果ガスの発生につながっていた廃棄物が、黒色顔料・インクのほか、人工皮革や建材などの高付加価値素材として活用できるようになります。

この技術は、企業や自治体が廃棄物量やCO₂排出量を削減し、資源循環率の向上と新たな価値創出を実現することを期待されています。特に、分別や再生処理が困難だった廃棄物を「炭化」することで、資源循環モデル「Next Cycle(ネクストサイクル)」を実現し、天然資源の枯渇、CO₂排出量、廃棄物の環境流出といった地球規模の課題解決に貢献することを目指します。

この「.Garbon」の中核となる炭化技術は、衣類やプラスチックを炭化可能な独自特許技術を持つ株式会社大木工藝との独占ライセンス契約によって実現しており、炭化処理から素材開発、製品化までを一貫して推進できる体制が構築されています。
-
「.Garbon」の詳細:https://garbon.tech/
-
株式会社大木工藝:http://ohki-techno.com/
今後の展望:印刷業界と資源循環の未来
「.Garbon印刷所」は、今後も活用できる廃棄物の種類を広げ、顔料とインクの品質向上、印刷適性の改善を進めていく予定です。まずは活版印刷からスタートし、将来的には対応できる印刷方法や印刷物を順次増やしていく計画です。石油由来に代わるだけでなく、その背景にある廃棄物活用のストーリーまで伝えられる「廃棄物由来の黒」が、日常的に選べる印刷の選択肢として広く普及していくでしょう。
自社の廃棄物活用やオリジナルの印刷物制作に興味がある企業や自治体は、以下の問い合わせフォームから相談が可能です。
-
「.Garbon印刷所」お問い合わせ:https://garbonprinting.com/contact/
-
「.Garbon」お問い合わせ:https://www.gab.tokyo/contact/
関連情報
-
株式会社Gab
-
設立:2019年12月10日
-
所在地:東京都渋谷区渋谷3-5-16 渋谷三丁目スクエアビル2階
-
代表者:代表取締役CEO 山内 萌斗
-
事業内容:マテリアル事業「.Garbon」、リテール事業「エシカルな暮らし」、エンタメ事業「清走中」
-
会社ホームページ:https://www.gab.tokyo
-
-
株式会社ペーパーパレード
-
設立:2020年1月22日
-
所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-59-8-208
-
代表者:和田由里子
-
事業内容:ブランド開発、コミュニケーションデザイン制作、自社サービス開発
-
会社ホームページ:https://paperparade.tokyo/
-



