日本の集積回路市場、2035年に982億米ドルへ
日本の集積回路市場規模は、2025年には451億米ドルを超え、2035年末には982億米ドルに達すると推定されています。2026年から2035年の予測期間中、年平均成長率(CAGR)8.1%で拡大する見込みです。
集積回路(IC)とは、半導体チップとも呼ばれ、トランジスタや抵抗などの電子部品を小さな基板の上に集積したものです。スマートフォンやパソコン、家電製品など、あらゆる電子機器の「頭脳」として機能し、現代社会の基盤を支えています。

AI需要の急増が市場を牽引
この市場成長の最大の原動力となっているのが、人工知能(AI)の需要急増です。ITA(国際貿易局)の発表によると、世界のAI産業の市場規模は2024年時点で89億米ドルでしたが、2029年末までにはその3倍にあたる279億米ドルに達すると予測されています。AI(人工知能)は、人間の知能をコンピュータで再現する技術で、学習、推論、問題解決などを行い、自動運転や画像認識、生成AIなど多岐にわたる分野で活用されています。
日本政府もAI導入を積極的に推進しており、革新的な分野や技術に関する専門知識を持つグローバル企業との連携に重点を置いています。これにより、提携や国境を越えた事業展開を通じて、市場の成長とプレゼンス拡大が期待されています。
政府の戦略と企業の動き
政府の政策も市場成長の重要な推進力です。次世代半導体の国産化を目指すRapidus(ラピダス)プロジェクトや、最先端ロジックチップの国内生産体制確立に向けた巨額の補助金支給といった取り組みが進められています。こうした動きは、TSMCをはじめとする世界的リーダー企業による投資と相まって、高付加価値なロジック分野における日本の地位向上と、AI時代における技術的自立の確保に向けた集中的な取り組みを浮き彫りにしています。
最近の市場動向としては、以下の事例が挙げられます。
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2026年7月:マイクロン・テクノロジーが、生成AIなどの用途に向けた最先端半導体を量産するため、広島県の工場を拡張しました。
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2026年3月:東芝は、同社の完全子会社である東芝デバイス&ストレージの半導体事業の事業統合に向け、三菱電機、ローム、TBJホールディングス、および日本産業パートナーズとの間で覚書を締結しました。
ロジックICが成長の中心に
製品タイプ別に見ると、集積回路市場において「ロジック」サブセグメントが、予測期間中に42.5%という最大のシェアを占めると予測されています。ロジックICは、論理演算を行うための集積回路で、CPU(中央演算処理装置)やGPU(画像処理装置)など、コンピュータの主要な処理を担う部分に使われます。AI、自動運転、5Gや6Gネットワークといった分野からの需要急増により、ロジックICが提供する高度な処理能力が不可欠となっています。
東京が集積回路市場を牽引
地域別分析では、手厚い政府の資金提供やAI技術のブームを背景に、予測期間中、東京が日本の集積回路市場において最大のシェアを占めると予想されています。NHKの報道によれば、日本政府は2040年末までにAIやその他の戦略的分野へ約370兆円を投資する計画を進めています。この官民双方からの大規模投資は、首都圏全体における技術の成長を後押しする要因です。
また、東京エレクトロンやアドバンテストといった、東京に拠点を置く企業は、革新的なチップの製造に不可欠なチップ製造用材料や装置の分野で主導的な役割を果たしています。こうした状況が海外からの投資を呼び込み、東京の市場をさらに活性化させています。さらに、AIデータセンター設備の拡充も進んでおり、革新的な冷却システムや光ファイバーケーブルといった高付加価値コンポーネントの供給を支えることで、市場の大きな成長が見込まれます。
主要な市場プレイヤー
日本の集積回路市場における主要なプレイヤーとして、以下の企業が挙げられます。
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Toshiba Electronic Devices & Storage Corporation
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Renesas Electronics Corporation
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Sony Semiconductor Solutions Corporation
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Rohm Co., Ltd.
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Mitsubishi Electric Corporation
まとめ:AI時代を支える日本の技術力
日本の集積回路市場は、AIの進化と政府の強力な支援、そして国内企業の技術力によって、今後大きな飛躍を遂げることが期待されます。集積回路は、私たちの未来のデジタル社会を支える基盤技術であり、その発展は自動運転、IoT、5G/6G通信、そして私たちの生活をより豊かにする様々なAIアプリケーションの実現に直結します。日本の技術が世界のAI時代を牽引する重要な役割を果たす未来が、もうすぐそこまで来ています。
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