空のモータースポーツ「AIR RACE X」第3戦、昨年王者デビッドソンが今季初優勝で王座争いは最終戦へ

極限の攻防となった予選

予選を制したのはパトリック・デビッドソン選手で、62.108秒のタイムでポールポジションを獲得しました。2位の室屋義秀選手は62.193秒と、その差はわずか0.085秒。0.1秒を切る差での争いは、まさに極限の攻防でした。3位には開幕戦優勝のアーロン・デリュー選手(オーストラリア)が62.781秒でつけ、上位3名が1秒以内にひしめく緊迫したセッションとなりました。

一方、4位のマーティン・ソンカ選手(チェコ)以下は3秒以上の差がつき、コンディションの読み合いがそのままタイムに表れる難しい予選であったことがうかがえます。

AIR RACE X 2026シリーズ第3戦予選結果

決勝トーナメント:新旧王者の激突

準々決勝では、予選上位4名が順当に準決勝へ駒を進めました。

準決勝ヒートA:室屋義秀 vs アーロン・デリュー

開幕戦の準決勝で室屋選手がデリュー選手に敗れた因縁のカードが再現されました。今回は室屋選手が磨き上げてきたターンの組み立てで押し切り、雪辱を果たして決勝へ進出。第2戦から続く好調ぶりを改めて印象づけました。

室屋義秀選手のアクロバット飛行

準決勝ヒートB:パトリック・デビッドソン vs マーティン・ソンカ

予選でポールを獲得したデビッドソン選手が、その勢いを維持してベテランのソンカ選手を退け、第2戦に続く2戦連続の決勝進出を果たしました。

マーティン・ソンカ選手のコックピット

三位決定戦:デリューが意地の表彰台

第2戦ではソンカ選手に敗れて4位に沈んだデリュー選手が、今回はソンカ選手を下して3位表彰台を獲得。参戦2年目の新星が、シリーズ上位争いに踏みとどまる意地を見せました。

アーロン・デリュー選手の飛行

決勝:昨年王者が雪辱を果たす

決勝は第2戦と同じく、デビッドソン選手と室屋選手による「新旧王者対決」となりました。第2戦では僅差で室屋選手に逃げ切られたデビッドソン選手が、今回は予選から続く安定した飛行で主導権を握り、見事に雪辱を果たして今季初優勝を飾りました。昨年の年間チャンピオンが、シーズン後半戦に向けて力強く名乗りを上げた形です。

AIR RACE X 2026シリーズ第3戦トーナメント表

上位3選手コメント

1位|パトリック・デビッドソン選手(南アフリカ)

「最高の気分です。いつだって勝利は素晴らしいものだし、勝つのが大好きです。それに、ヨシ(室屋選手)を破るのはいつだって気分がいいね……ごめんよ、ヨシ! 2人のパイロットがこれほど高い競争心を持って拮抗したタイムで競い合うと、観ている側にとっても素晴らしいレースになるし、僕たちにとっても生き甲斐を感じるような白熱したレースになると思っています。」

パトリック・デビッドソン選手のコックピットでの笑顔

2位|室屋義秀選手(日本)

「今回は高温多湿という厳しいコンディションを想定し、チームとともにエンジンのオーバーヒート対策を重点的に見直して臨みました。その結果、冷却性能は大きく改善され、予選から安定してタイムを刻むことができました。しかし決勝ではフライトに少しのミスがありタイムを出しきれなかったことから、あと一歩及ばず2位という結果でした。チャンピオンシップでは10ポイントのリードを維持しています。最終戦はすべてが決まる一戦になるので、チーム一丸となって万全の体制で挑み、タイトル獲得を目指します。」

室屋義秀選手のコックピットでの様子

3位|アーロン・デリュー選手(オーストラリア)

「第3戦では2つのペナルティを受けたにもかかわらず、表彰台に立つことが出来ました。つまり、私のスピード自体は間違いなく速いということです。単に高いGをかけるだけではなく、正しいラインや流れを見つけ出すことが重要で、準決勝ではそれをつかむことができました。室屋、パトリックの両選手には、ぜひ引き続いてその速さを維持してほしいですね。ちょっとでも隙を見せれば、私がたちまちにして彼らを抜き去ることでしょう。」

アーロン・デリュー選手のコックピットからの景色

シリーズランキング:最終戦で年間王者が決定

第3戦の結果を受け、年間ポイントランキングは以下の通りとなりました。

AIR RACE X 2026シリーズポイントランキング

  • 1位:室屋義秀(76pt)

  • 2位:パトリック・デビッドソン(66pt)

  • 3位:アーロン・デリュー(63pt)

  • 4位:マーティン・ソンカ(53pt)

最終第4戦では、決勝優勝の25ポイントに予選ボーナス8ポイントを加えた最大33ポイントが動きます。首位の室屋選手と4位のソンカ選手の差は23ポイントであり、上位4名すべてに年間チャンピオンの可能性が残されている状況です。新旧王者の一騎打ちとなるのか、新星の逆転劇が生まれるのか、それともベテランの大逆転があるのか――2026年シーズンの王座は、最終戦まで決着がつかないことになります。

2026年シリーズ最終第4戦は、9月13日(日)21時から大会公式YouTubeチャンネルで配信予定です。

AIR RACE X(エアレースエックス)とは

エアレースは、航空機が三次元空間に設けられたコースを飛行し、スピードと精密な操縦技術を競う「空のモータースポーツ」です。AIR RACE Xは、その世界最高峰のチャンピオンシップとして開催されています。

限界まで研ぎ澄まされた専用レース機を、世界トップレベルの技術を持つパイロットが操り、最高時速400km・最大重力加速度12G(※1)という極限環境の中で、飛行タイムと操縦精度を競います。各レースの結果に応じてポイントが付与され、シーズンを通じた総合ポイントによって年間チャンピオンが決定されます。

※1: 重力加速度12Gとは、自身の体重の12倍の力が身体にかかる状態を指します。一般的なジェットコースターで感じるGが数G程度であることを考えると、パイロットがいかに過酷な環境で操縦しているかが分かります。

AIR RACE X 2026シーズン

公式サイト・SNS