ポストコンシューマーレジン(PCR)とは?
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ポストコンシューマーレジン(PCR)とは、私たち消費者が使い終わって捨てたプラスチック製品を回収し、もう一度樹脂の原料として使えるように再処理された再生プラスチック材料のことです。例えば、使用済みのペットボトルや食品の包装材、家庭用品などが原料になります。このPCRは、新しく石油から作るプラスチック(バージンプラスチック)に比べて、資源の消費量や環境への負荷を減らすことができるため、資源を循環させる持続可能な素材として、いま世界中で注目されています。
市場規模は2032年に625億ドルに到達する予測
QYResearchが発行した最新レポート「世界のポストコンシューマーレジン(PCR)市場レポート:市場の歴史および2032年までの予測2021~2032年」によると、世界のPCR市場は2025年に403億5200万米ドルに達するとされています。さらに、2026年から2032年までの予測期間において、年平均成長率(CAGR)5.60%で拡大し、2032年には625億5600万米ドル規模に成長すると予測されています。
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この市場拡大の背景には、世界的な脱炭素化政策(二酸化炭素などの温室効果ガス排出量を削減する政策)や、プラスチックの循環利用を促す規制の強化、そして企業によるESG投資(環境・社会・ガバナンスの要素を考慮した投資)の強化があります。各国政府は使い捨てプラスチックの削減や再生材の使用率向上に向けた政策を推進しており、包装、食品飲料、自動車、電子機器など、幅広い産業分野でPCRの採用が進んでいます。
特に欧州、日本、北米市場では、製品のライフサイクル全体で環境への負荷を減らすことが、企業の競争力にとって非常に重要な要素となっています。そのため、多くのブランドメーカーや製造企業が、再生樹脂の利用比率を積極的に高めています。
PCRの技術動向と多様な製品タイプ
PCRの製造プロセスは、大きく二つに分けられます。
- 機械的リサイクルPCR:回収したプラスチックを選別し、洗浄、粉砕、溶融加工することで再生樹脂を生産する、現在市場の主流を占める方法です。
- 化学的リサイクルPCR:廃プラスチックを分子レベルまで分解し、新しい樹脂原料へ戻して再転換する技術です。こちらはまだ研究開発が進められている段階ですが、より高品質な再生材を供給できる手段として期待されています。
製品タイプとしては、再生PET(ポリエチレンテレフタレート)、再生HDPE(高密度ポリエチレン)、再生LDPE/LLDPE(低密度ポリエチレン/直鎖状低密度ポリエチレン)、再生PP(ポリプロピレン)、再生PVC(ポリ塩化ビニル)、再生PS(ポリスチレン)、再生ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)など、様々な種類の再生プラスチックがあります。中でも再生PETは飲料ボトルや食品包装で需要が高く、成長分野として注目されています。また、自動車部品や家電製品向けには、耐久性や機械的特性に優れた再生ABSや再生PPの需要拡大が見込まれています。
広がるPCRの用途と市場機会
PCRは、包装、繊維、建設、農業、自動車、消費財、電気・電子製品、産業製品など、非常に多岐にわたる分野で使われています。
例えば、包装分野では、飲料ボトルや食品容器、化粧品容器などで再生材の使用が急速に増えています。大手消費財メーカーの中には、2030年までに包装材料の再生材比率を高める目標を掲げているところも多く、PCRの安定した調達が重要な課題となっています。
自動車分野では、車の軽量化や環境規制への対応のため、内装部品やバッテリー関連部材などへのPCR材料の利用が進んでいます。また、電気・電子分野でも、製品の環境評価やサプライチェーン全体の炭素排出削減の要求から、再生プラスチックの採用が増加しています。
競争環境と将来展望
PCR市場では、Far Eastern New Century、Veolia、Morssinkhof-Rymoplast Group、Jiangsu Eastern Shenghong、ALPLA Group、Indorama Ventures、Plastipak、Kingfa、KW Plastics、Zhejiang Haili Environmental Technology、Valgroup、Suzhou Jiulong Recycling Technology Group、INTCO Recycling Resources、PetStar、PreZero Polymers、Biffa Polymers、Alpek、SUEZ、Revolution Companyなど、世界中の様々な企業が競争を繰り広げています。これらの企業は、プラスチックの回収ネットワークの強化、再生処理能力の拡大、そして高品質なPCR材料の開発に力を入れています。原料の回収から加工、品質管理、最終製品の供給までを一貫して行う「循環型サプライチェーン」の構築が、競争力を高める鍵となっています。
地域別に見ると、北米、アジア太平洋、欧州が主要な市場です。特に欧州市場では、環境規制が厳しく、PCRの需要が非常に強いため、再生材含有率の向上に向けた産業投資が活発化しています。
今後のPCR市場では、AIを活用した廃棄物の選別技術や、化学リサイクル技術、そして再生材の品質を保証するシステムの発展が、さらなる成長を支える重要な要素となるでしょう。世界的に循環型経済への移行が加速する中で、PCRは持続可能な製造産業を支える中心的な材料として、今後も市場を拡大していくことが期待されています。
本記事は、QY Research発行のレポート「ポストコンシューマーレジン(PCR)―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」に基づき、市場動向および競合分析の概要を解説したものです。
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