国内初の黒鉛蓄熱式ボイラ『G-TES』、実運用で約6ヶ月連続稼働を達成 ― 熱エネルギーの脱炭素化を加速

最新エネルギー技術「G-TES」が実運用で快挙、脱炭素社会へ新たな一歩

株式会社Blossom Energyが開発した黒鉛蓄熱式ボイラ「Blossom Energy G-TES(ブロッサムエナジー ジーテス)」が、広島県竹原市の温浴施設での実運用において、2026年3月の稼働開始から約6ヶ月間、トラブルによる供給停止ゼロで安定的な温水供給を継続していることが発表されました。このシステムは、黒鉛を用いた蓄熱式ボイラによる熱供給の実運用としては日本国内で初の事例であり、温浴施設への適用としては世界初の取り組みとなります。

BLOSSOM ENERGY G-TES

6ヶ月連続稼働、トラブルゼロの安定性

G-TES初号機は、瀬戸内ゴルフリゾート(広島県竹原市)の温浴施設に2025年12月に設置され、既存配管との接続工事を経て2026年3月より温水供給を開始しました。本格稼働開始から現在に至るまで、不具合やトラブルは一切なく、初期の性能を維持したまま順調に稼働を続けています。この安定稼働実績は、G-TESが今後の商用展開に十分応えられる信頼性の高いシステムであることを実証しました。

BLOSSOM ENERGY G-TES

投入電力の約9割を熱に変換、経済性も両立

G-TESは、投入された電気エネルギーの約9割を温水加熱に有効利用できることが実運用データから明らかになりました。瀬戸内ゴルフリゾートでは、主に電力料金が比較的安い昼間の時間帯に電力を用いて蓄熱を行い、貯められた熱エネルギーを温浴施設に供給しています。これにより、温水生成のために24時間ヒートポンプを稼働させる場合と比較して、10%以上の電気代削減が見込めることが実証されました。さらに、温水製造に重油やガスを燃料とする従来のボイラを用いる場合と比較すると、さらなるコスト削減が期待されます。

専門用語解説

  • 黒鉛蓄熱式ボイラ: 電気を使って熱を発生させ、その熱を「黒鉛(グラファイト)」という炭素材料にため込む(蓄熱する)仕組みのボイラです。黒鉛は熱を効率よく蓄えることができるため、必要な時に安定して熱を取り出せます。

  • 蓄熱: 熱を貯蔵すること。電力需要の少ない時間帯に電気を使って熱を貯め、電力需要の多い時間帯や熱が必要な時に貯めた熱を利用することで、エネルギーの効率的な利用やコスト削減に繋がります。

温水供給から蒸気・冷房まで、広がるG-TESの可能性

今回、国内初の商用蓄熱式ボイラの初号機として得られた実運用データは、今後の量産機の性能や信頼性をさらに向上させる上で非常に有用です。Blossom Energyは今後、G-TESの利用を検討している企業や施設向けに見学機会を提供する他、エネルギーコストや運用の安定性に関する検証をさらに進めていく方針です。温水製造用途にとどまらず、温風・熱風・蒸気需要から、将来的には冷房需要まで、最大500℃までの幅広い温度帯の熱を安定的に供給できるモデルを展開し、様々な分野での熱の脱炭素化に貢献していくでしょう。

専門用語解説

  • 脱炭素化: 二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指す取り組みです。熱供給分野では、化石燃料を使わないエネルギーシステムへの転換がこれにあたります。

Blossom Energyが目指す「熱の脱炭素化」

株式会社Blossom Energyは、「熱の脱炭素化」をテーマに、次世代熱エネルギーシステムの開発を行うスタートアップ企業です。同社の黒鉛蓄熱式ボイラ「Blossom Energy G-TES」は、黒鉛を蓄熱材として用い、再生可能エネルギー由来の電力を熱として貯蔵し、必要なタイミングで安定的に供給するシステムです。燃焼を伴わずに熱を供給できるため、電力価格が比較的低い時間帯に蓄熱し、熱需要の高まる時間帯に放熱することで、エネルギーコストを最適化しながら脱炭素化を推進します。

Blossom Energyの詳細については、以下のリンクをご覧ください。