ロボット学習の課題を解決する「UMI」とは
現代のロボットに複雑な作業を学習させるためには、膨大な量の操作データが必要です。しかし、実際にロボットを動かしてデータを集める従来のやり方では、高価な設備や専門的な運用が必要となり、時間もコストもかさむという大きな課題がありました。
そこで注目されているのが、「Universal Manipulation Interface(UMI)」と呼ばれる新しい手法です。UMIは、ロボット本体を使わず、人間が手持ち型デバイスを操作することで、ロボットがどのように動くべきかという実演データを効率的に収集します。これにより、データ収集のハードルが大幅に下がり、より多くのデータが集められるようになります。
しかし、各研究機関がそれぞれ異なるロボットやタスク、評価方法を使っているため、せっかく集めたデータや開発したロボットの動き方を公平に比較することが難しいという問題がありました。「The UMI Arena」は、この比較・検証の難しさを解消し、実世界ロボット操作におけるデータ収集、学習、評価の標準化を目指します。
オープンソースのデータ収集デバイス「YUBI」
ワークショップの中心となる取り組みの一つが、データ収集デバイス「YUBI」を活用した実世界ロボット操作データの公開とコンペティションです。
YUBI(Yielding Universal Bidigital Interface)は、人間が物体を操作する際の映像や手の動きの軌跡を記録するために開発された、オープンソースのデータ収集インターフェースです。人間の指の動きに合わせてグリッパー(ロボットのアームの先端部分)を操作できる設計と、VR機器を使った位置・姿勢計測を組み合わせることで、ロボットを使わずに多様な操作データを収集できます。
YUBIのハードウェア設計はトヨタ自動車株式会社 未来創生センターが、データ収集ソフトウェアはAIRoAがオープンソースとして公開しており、世界中の研究者や開発者がこの環境を再現・拡張して利用できます。
「The UMI Arena」の3つのトラックで未来を拓く
このワークショップは、単なる講演会にとどまらず、参加者が主体的に関わるインタラクティブなプログラムで構成されています。
Track 1:ポリシー・コンペティション
参加チームが開発したロボットの制御方策(ポリシーモデル)を事前に提出し、主催者が用意した共通のタスクと実ロボット環境で評価します。これにより、モデルの種類に関わらず、すべてのポリシーを同じ条件で比較し、再現可能な評価方法と共通の性能基準(ベンチマーク)を確立することを目指します。
コンペティション参加者には、YUBIを用いて収集された実世界ロボット操作データの一部(約20,000時間規模まで段階的に拡充予定)に加え、基本的なポリシーモデルや学習コードが限定公開されます。これにより、参加者はモデル開発に集中しやすくなります。
Track 2:データ収集デバイス展示
UMI型のデータ収集デバイスが会場に展示され、参加者は実際に操作して比較できるハンズオンセッションが実施されます。操作性、器用さ、コストなどの観点からデバイスを評価・投票し、デバイス設計の多様性とそれがデータ品質に与える影響について議論が深められるでしょう。
Track 3:論文・ポスターセッション
UMI型のロボット操作学習に関する最新の研究成果が募集され、採択された論文はポスターセッションやスポットライトトークで発表されます。異なるロボットへのポリシー適用、データ品質の向上、力覚・触覚センシングの活用など、多岐にわたるテーマが対象となります。
各トラックでは「Best Policy」「Best Device」「Best Paper」の表彰も予定されており、研究者や開発者のモチベーション向上にもつながります。
ロボット学習分野の第一線で活躍する研究者が登壇
ワークショップには、ロボット学習、実世界ロボット操作、ロボット基盤モデルといった分野で世界的に活躍する4名の研究者が招待講演者として登壇する予定です。
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Shuran Song氏(Stanford University)
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Andy Zeng氏(Generalist Robotics)
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Hao-Shu Fang氏(MIT CSAIL)
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Yang Gao氏(Tsinghua University)
彼らは、手持ち型データ収集デバイスの最先端、実演データの効率的な活用、異なる構造を持つロボットへのポリシー展開など、UMIエコシステムの発展に不可欠なテーマについて講演を行う予定です。
目指すはロボット操作評価の国際標準化とコミュニティ形成
「The UMI Arena」は、ワークショップ当日だけでなく、その後のコミュニティが継続的に活用できる具体的な成果を生み出すことを目指しています。
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共通の実機環境でロボット操作ポリシーを評価できる基盤
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再現可能な評価プロトコルと公開されるリーダーボード
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データ収集デバイスを比較するための共通の評価軸
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異なるロボットへポリシーを展開する際の貴重な知見
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再利用可能な実世界データ、ベースラインモデル、学習コード
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データ収集デバイスの開発者とポリシー研究者が交流する国際コミュニティ
これらの成果を通じて、ロボット学習の研究開発がさらに加速し、より実用的なロボットが社会に登場する未来が期待されます。
ワークショップ開催概要
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名称: The UMI Arena: From Handheld Devices to Real-World Policies
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会議: Conference on Robot Learning 2026(CoRL 2026)
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開催日: 2026年11月12日
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開催地: 米国テキサス州オースティン
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形式: 半日・現地開催
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主催: 一般社団法人AIロボット協会(AIRoA)
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特設ページ: https://umi-arena.airoa.io/
データ公開やコンペティション、論文の締切などの詳細は、特設ページで順次発表される予定です。ロボット学習の未来を形作るこの国際的な取り組みに、今後も注目が集まります。



