共同研究の背景と目的
現在の宇宙産業は、従来の枠組みを超えて、さまざまな産業分野の課題やニーズに対し、宇宙技術がどのような価値を提供できるかを明確にすることが求められています。これまでの宇宙開発は、物理的な試作や実証に多くの時間とコストがかかる側面がありました。しかし、もし仮想空間で事業の可能性を評価できれば、より効率的かつ多角的に新しい宇宙利用のアイデアを探求できるはずです。
この共同研究では、数値シミュレーションやAI(人工知能)・機械学習といったデジタル技術を駆使し、複数の利用シナリオや事業が成立する条件を仮想的に評価・比較する手法を開発します。これにより、これまで見過ごされてきた潜在的な需要を発掘し、新たな宇宙利用を促すことを目指します。
「デジタルエンジニアリングフレームワーク」とは
このフレームワークは、2027年度末までにJAXAで構築され、DigitalBlastが社会実装の視点から評価を進める予定です。中心となるのは、以下の技術と手法です。
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システムズエンジニアリングを活用した事業分析手法: これは、複雑なシステムやプロジェクトを効率的に設計・開発・運用するための全体的な考え方やプロセスです。宇宙事業全体を俯瞰し、構想段階から事業化までを体系的に支援します。
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数値シミュレーション: コンピュータ上で仮想的に現象を再現し、その振る舞いや性能を予測する技術です。これにより、実際に宇宙で実験する前に、さまざまな条件下での影響を詳細に分析できます。
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AI・機械学習: 大量のデータからパターンを学習し、予測や意思決定を自動化する技術です。宇宙利用の多様なデータを分析し、最適な事業シナリオを導き出すことに役立ちます。
これらのデジタル技術を組み合わせることで、宇宙事業の構想段階から実証、そして事業化までを一貫して支援する新しい方法論が構築されます。
期待される成果と未来への展望
このフレームワークが確立されれば、宇宙利用は単発の概念実証(PoC:Proof of Concept、新しいアイデアや理論が実現可能であることを示すための検証)に留まらず、継続的な事業創出へとつながるでしょう。これまで宇宙利用を検討してこなかった異分野からの新規参入者も、このフレームワークを活用することで、より容易に宇宙ビジネスに参入できるようになることが期待されます。
JAXAが目指す「デジタルエンジニアリング技術を活用した持続的に成長する宇宙産業エコシステムの形成」という目標に、この共同研究は大きく貢献する見込みです。DigitalBlastは、これまでの宇宙事業全体を俯瞰した事業企画、実証支援、および事業化支援の実績を活かし、さらなる宇宙利用の拡大と新産業創出に寄与していきます。
DigitalBlastは、「宇宙に価値を(Make Space Valuable)」をミッションに掲げ、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟の知見を基盤に、次世代の民間宇宙ステーション時代を見据えた宇宙環境利用の推進に取り組んでいます。小型実験装置「AMAZ」の開発や、研究から事業化を支えるR&Dプラットフォームの構築、さらには「宇宙版AIクラウド(軌道上データセンター)」の開発にも注力し、宇宙利用の持続的な拡大と新産業創出を目指しています。
- 株式会社DigitalBlastのウェブサイト:https://digitalblast.co.jp/



