“世界一の空港”シンガポール・チャンギ国際空港にWHILL自動運転サービスが導入!移動支援の未来を拓く

高まる移動支援のニーズと空港の課題

世界では、60歳以上の人口が2050年には21億人に達すると予測されており、高齢化が急速に進んでいます。これに伴い、歩行に困難や不安を抱える旅客(PRMサービス利用者)からの移動支援サービスへのニーズも高まっています。実際、チャンギ空港では2023年から2025年にかけてPRMサービス利用者が20%増加し、現在では1日平均2,000〜2,500名が利用しています。

一方で、航空業界の人的リソースには限りがあり、介助サービスの需要増加は、待ち時間の長期化や介助スタッフの身体的負担増大といった課題を引き起こしています。これらの課題への対応は、空港運営にとって喫緊の課題となっています。

WHILL自動運転サービスが提供する新しい移動体験

WHILL自動運転サービスは、一人乗りのモビリティ「WHILL(ウィル)」が、あらかじめ収集した地図情報と先進的なセンサーを使って周囲の状況を検知しながら、空港内の特定の目的地まで自動で走行するシステムです。目的地に到着して利用者が降車すると、ウィルは無人のまま元の場所へ自動で戻ります。

このサービスは、航空業界の従来の移動支援サービスをロボット化・DX化(デジタルトランスフォーメーション:デジタル技術を活用して、ビジネスや社会のあり方を変革すること)することにより、安心で快適な移動インフラの整備と、介助スタッフの身体的負担軽減や省力化を同時に目指しています。

空港スタッフがWHILL自動運転モビリティを案内する様子

チャンギ国際空港での具体的な導入

チャンギ国際空港では、ターミナル2と3に合計18台のWHILL自動運転モビリティが導入されています。旅客向けサービスを手掛けるSATS社のスタッフが遠隔操作で、フライトスケジュールに合わせて特定の到着ゲートへウィルを配備します。

配備されたウィルは、到着ゲートで降機したシンガポール航空の利用者を迎え、PRMラウンジ(SATS Passenger Special Services Lounge)まで自動運転で送り届けます。乗り継ぎの場合は、再度ラウンジに配備され、利用者を予定の搭乗ゲートまで運びます。このサービスにより、従来のPRMサービスの約10%がWHILL自動運転サービスに置き換わっており、1日100名を超える利用者がこの新しい移動体験を享受しています。

空港の運用センターでWHILLの稼働状況を監視するモニター画面

WHILL自動運転モビリティに乗ってタブレットを見る利用者

導入による多角的なメリット

WHILL自動運転サービスの導入は、従来の車椅子の手動返却にかかっていた身体的負担や工数を減らし、スタッフがより手厚い旅客対応に注力できる環境を整えます。これにより、利用者の体験向上だけでなく、空港やPRMサービス事業者の運営最適化にも貢献します。

国際空港評価では、高齢者や障害のある方々にも配慮された施設を評価する「World’s Best PRM / Accessible Facilities」という部門が設けられており、移動環境の整備はその重要な一環です。WHILL自動運転サービスは、このようなアクセシビリティ環境の向上に資するものとして、国内外の空港で採用が広がっています。

WHILL自動運転サービスの利用案内と利用者の様子

WHILL社は、航空業界の各ステークホルダーと連携しながら、安心・安全なサービス提供を通じて、空港を利用するすべての人々に自立的で自由な移動体験を提案し続けることでしょう。

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