福岡県、半導体と先進モビリティで未来を拓く新たな産業クラスター計画を公表
福岡県は、日本の地域経済を活性化させるための国家戦略「地域未来戦略」の一環として、「半導体分野」と「先進モビリティ分野」における「地域産業クラスター計画」を策定しました。この計画は、国からの支援措置を最大限に活用し、今後10年間で総額6,000億円もの官民投資を促進することで、福岡県を牽引する新たな成長産業の拠点形成を目指すものです。
「地域未来戦略」とは、地方に大規模な投資を呼び込み、各地域に特定の産業が集積する「産業クラスター」を戦略的に形成し、地域経済の持続的な成長を図る国の取り組みです。福岡県の計画は、この戦略の柱の一つである「地域産業クラスター計画」として、半導体と先進モビリティという二つの重要な分野に焦点を当てています。
半導体分野:グローバルな「後工程」拠点を目指す

福岡県が半導体分野で目指すのは、「新生シリコンアイランド九州を牽引する半導体後工程のグローバル拠点」の構築です。
「後工程」とは?
「半導体後工程」とは、半導体チップの製造工程のうち、完成したチップをパッケージング(保護・接続)し、テストして最終製品として仕上げる段階を指します。半導体の性能向上や小型化に不可欠な、非常に重要な技術領域です。
計画の概要と目標
この計画では、福岡市や糸島市(九大学研都市地域)、北九州市、筑後市、うきは市、広川町などを対象エリアとし、県内全域への経済波及を目指します。
中心となるのは、福岡県が誇る国内唯一の公的機関「福岡超集積半導体ソリューションセンター」です。このセンターを核として、最先端の後工程技術の研究開発を支援し、県内企業の新規参入や関連産業の集積を図ります。特に、微細化の限界を打破する技術や、「光電融合」(光と電気の信号を組み合わせて高速処理を実現する技術)、「パワー半導体の高密度パッケージ」(電気自動車や産業機器の電力制御に不可欠な高効率半導体の集積技術)といった次世代技術の実用化に向けた産学官連携の共同開発と社会実証を推進します。また、アジアの半導体メーカーとのネットワークを構築し、県内企業のグローバルな取引を促進するとともに、高度な半導体技術人材の育成・輩出にも力を入れます。
目標(2026年度~2035年度)
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官民設備投資額:累計4,960億円
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付加価値増加額:累計1,200億円
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産業人材育成数:累計80,000人

先進モビリティ分野:脱炭素社会をリードする拠点へ

先進モビリティ分野では、自動車、IT、半導体といった福岡県の既存産業集積を活かし、「脱炭素などの社会課題を世界に先んじて解決する『先進モビリティ拠点』」の構築を目指します。
「先進モビリティ」とは?
「先進モビリティ」とは、電気自動車(EV)や水素自動車、自動運転技術など、次世代の交通手段や関連サービス全般を指します。環境負荷の低減や交通の利便性向上に貢献する技術です。
計画の概要と目標
久留米市、宮若市、苅田町(自動車メーカーとサプライヤーが集積)、福岡市(水素エネルギーの利活用)、北九州市(リサイクル企業が集積)を核とし、県全域でのクラスター形成を図ります。
主な戦略としては、日産の生産移管を契機とした、生産拡大や電動化、そして「CASE」(Connected:つながる車、Autonomous:自動運転、Shared & Services:シェアリングとサービス、Electric:電動化)に対応した強靭なサプライチェーンの実現が挙げられます。また、使用済みEVバッテリーの資源循環を確立する「GBNet福岡」の取り組みを発展させ、経済安全保障にも貢献します。大規模な水素ステーション整備と水素商用モビリティの導入による「水素大動脈構想」の西の拠点実現も目指し、脱炭素化を加速させます。さらに、運転手不足や交通空白地域の問題解決のため、バス・タクシー事業者と連携した自動運転の社会実装にも取り組む予定です。
目標(2026年度~2035年度)
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官民設備投資額:累計1,040億円
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付加価値増加額:累計500億円
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産業人材育成数:累計5,000人

福岡県の未来を拓く大きな一歩
今回の計画は、半導体と先進モビリティという、これからの社会を支える二つの重要分野に焦点を当てたものです。福岡県は、これらの産業クラスター形成を通じて、地域経済の活性化はもちろんのこと、新たな技術開発と社会課題解決をリードする存在となることを目指しています。
この計画の詳細については、福岡県庁のウェブサイトで確認できます。



