次世代「固体電池」で日本のエネルギーインフラを強化
大栄産業株式会社は、中国・北京の次世代電池メーカーであるWeLion New Energy Technology(北京衛藍新能源科技)およびgf.Z株式会社と戦略的業務提携を締結しました。この提携は、次世代の「固体リチウムイオン電池」を日本に本格導入し、AIデータセンターや商用蓄電市場、さらには災害に強い社会の実現を目指すものです。

「液体」から「固体」へ:電池技術の大きな進化
約35年間、リチウムイオン電池の主流は液体電解質(電池内部で電気をやり取りする液体)を用いたものでした。しかし、現在世界では、この液体電解質を「固体」に置き換える「固体リチウムイオン電池」への転換が急速に進んでいます。
固体電池の最大の特長は、その「高い安全性」にあります。液体電解質は発火のリスクがありましたが、固体電解質を用いることで熱暴走(電池が異常に発熱し、制御不能になる現象)のリスクを大幅に低減し、「燃えない電池」として注目されています。また、長寿命化や高エネルギー密度(より多くの電気を蓄えられる)といったメリットも持ち合わせています。
この革新的な技術は、AIデータセンター(人工知能の計算処理に特化した大規模なコンピューター施設)、防災拠点、医療施設、公共インフラなど、幅広い分野での活用が期待されています。

日本での具体的な展開と未来像
今回の提携により、大栄産業は日本市場での固体リチウムイオン電池の普及と「レジリエンスシティ」(災害や環境変化に強く、しなやかに立ち直れる都市)社会の実現を目指します。
具体的な取り組みとしては、日本国内での共同アッセンブリ(部品を組み立てて製品にすること)、日本製固体蓄電池やUPS(無停電電源装置:停電時に一時的に電力を供給する装置)の製造販売、大規模な「系統用蓄電池」事業(電力会社の送電網に接続し、電力の需給を調整する蓄電池)などが共同で推進されます。さらに、国内での固体電池セル製造工場の設置も検討されており、自然災害リスクの低い地域が候補地とされています。


WeLion社は、原位置固化技術や固体電解質技術など6つのコア技術により、高性能かつ安全な「ゼロファイヤー固体電池」の量産を実現しています。大栄産業は、このWeLion社の固体電池製品を、家庭用から産業用、系統用まで、顧客の多様なニーズに応じた形で提供していく予定です。




環境と防災を融合した持続可能な社会へ
大栄産業は、単なる蓄電池の販売に留まらず、環境と防災を融合した付加価値型の事業展開を進めています。
その特徴は、地震に強い「免震架台」の採用や、大気浄化効果を持つ「光触媒技術」を導入した環境配慮型蓄電所の整備です。さらに、使用済みリチウムイオン電池の「リサイクルスキーム」も構築し、製造からリサイクルまでを一貫して行う「サーキュラーエコノミー」(循環型経済)の実現を目指しています。このリサイクル事業は、環境省が制度化する広域認定制度の取得についてもWeLion社の協力を得ています。
また、介護・障害福祉分野、医療・保育施設、物流、IT、避難所インフラなど向けに、BCP(事業継続計画:災害時に事業を継続・早期復旧するための計画)対応のUPS設備導入工事や災害対策分電盤技術を提供し、災害に強い社会づくりに貢献しています。

推進中の「Heart Shelter(ハートシェルター)」プロジェクト(商標登録出願中)では、災害対応型蓄電システムを通じて、地域インフラや防災拠点に安全なエネルギー供給を目指しています。この構想についても、WeLion社からの全面的な協力が得られています。

産学官連携で未来を駆動
大栄産業は今後、大学・研究機関・自治体との産学官連携による共同研究を推進し、液体リチウムイオン電池の危険性と固体電池の安全性に関する実証試験を進めます。これにより、固体リチウムイオン電池、防災システム、AIデータセンター、地域マイクログリッド、リサイクル技術などの分野で共同開発を進め、国内での発火事故抑制に貢献することを目指しています。
代表取締役社長の戸塚和昭氏は、「私たちは単に蓄電池を販売し収益をあげるだけでなく、『安全』『環境』『防災』『循環型社会』『社会貢献』をキーワードに、日本のエネルギーインフラを支える企業を目指します」とコメントしています。
「燃えない電池屋」として、日本製固体蓄電池・UPSの事業化、国内セル工場設置構想、AIデータセンター向け蓄電システム、そして建設重機の電動化推進など、多岐にわたる事業展開を通じて、誰一人取り残されない持続可能な社会の実現に貢献していくことでしょう。
大栄産業株式会社のゼロファイヤー固体リチウムイオン電池公式サイトはこちらです。



