人類の未踏領域へ:UntroD Capital Japanが理化学研究所と「人工冬眠」実現に向けた共同研究を開始

人工冬眠が拓く未来の可能性

リスやクマといった一部の哺乳類は、代謝を低下させる「休眠」という省エネ状態に入り、冬眠することが知られています。もし人間を安全にこのような休眠状態へ誘導する「人工冬眠」が実現すれば、現在の医療が抱える様々な課題を解決できる可能性を秘めています。

例えば、重症患者の搬送時に救命率を向上させたり、臓器を長期保存できるようになることで移植医療の選択肢が広がったり、全身麻酔の安全性が向上するといった貢献が期待されます。さらに、人工冬眠によって寿命を延伸できれば、未来への時間移動や、地球から遠く離れた宇宙への旅など、人類の既存の時空感覚を大きく拡張する可能性も考えられます。

鍵となる「Qニューロン」の発見

理化学研究所 生命機能科学研究センターの砂川玄志郎チームディレクターが率いる冬眠生物学研究チームは、この人工冬眠の実現に向けて、冬眠の基本的なメカニズムの解明を進めてきました。2020年には、砂川チームディレクターと筑波大学医学医療系の櫻井武教授らが共同で、冬眠のような状態を誘導する新しい神経回路であるQニューロンを発見したと発表しています。

今回の共同研究(期間:2026年4月24日から1年間)は、このQニューロンを介して人工冬眠様状態を誘導する化合物を探索することを目的としています。

UntroDの専門性と今後の展開

本共同研究において、UntroDで実務を担う藤本辰彦グロースマネージャーは、これまでにオレキシン受容体作動薬の開発剤創製を牽引するなど、創薬に関する豊富な経験を持つキャピタリストです。藤本グロースマネージャーは、これまでの創薬の専門知識を活かし、この研究を支援していきます。

UntroDは、共同研究の進展に伴い事業化への道筋が見えてきた際には、人工冬眠技術の実用化を目指すベンチャー企業の設立(カンパニークリエーション)を支援する計画です。ベンチャーキャピタルが自ら共同研究の主体となるこの取り組みは、UntroDが掲げる「未踏領域への挑戦」を体現する、新しい形のハンズオン支援であるとされています。

藤本グロースマネージャーは、「画期的な新薬の背景には、必ずノーベル賞級のアカデミアの発見がある」という考えのもと、Qニューロンの発見をノーベル賞級の成果と捉え、本共同研究から画期的な成果が生まれることに期待を寄せ、その実現に向けて支援していくとコメントしています。

UntroD Capital Japan株式会社は、2015年にディープテック・スタートアップの社会実装を目的とした「リアルテックファンド」を設立し、シード・アーリーステージのスタートアップへの投資と支援を行ってきました。2024年6月には、「未踏」を意味する「UntroD」を社名に掲げ、再始動しています。

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