アルバトロス・テクノロジー、次世代洋上風力発電技術「FAWT」の大型海上実験機開発へ2.5億円調達
浮体式洋上風車(垂直軸型)の開発に取り組む株式会社アルバトロス・テクノロジーは、日本政策投資銀行などを引受先として、総額2.5億円のプレシリーズB資金調達を実施しました。これにより、シードラウンドからの累計調達額は約7.7億円となります。調達された資金は、現在長崎県で実証中の小型海上実験機で得られた知見を基に、大型海上実験機の準備に充てられる予定です。

浮体式洋上風力発電「FAWT」とは?
再生可能エネルギーの主力電源化が求められる中、洋上風力発電への期待は高まっています。しかし、日本は遠浅の海域が少ないため、深海域にも設置できる「浮体式洋上風力発電」(海に浮かべた土台の上に風車を設置する発電方法)の導入拡大が不可欠とされています。
従来の浮体式洋上風力発電では、一般的に使われる「水平軸型風車」(プロペラのように回転軸が地面に対して水平に立つ風車)を用いると、浮体や係留設備が大型化し、建設コストが高くなるという課題がありました。
これに対し、アルバトロス・テクノロジーが開発を進める「FAWT」(Floating Aerodynamic Wind Turbine:浮体式垂直軸型風車)は、この課題を解決するために設計された画期的な技術です。FAWTは、風車の回転軸が地面に対して垂直に立つ「垂直軸型風車」を採用しており、浮体式の海洋構造物として合理的な設計思想に基づいています。これにより、構造の簡素化と低重心化を実現し、洋上風力発電の大幅なコスト低減と日本国内での生産体制確立(国産化)を目指しています。
FAWTの技術的優位性
FAWTは、以下の5つの特徴により、従来の洋上風力発電の課題を克服しようとしています。
- 軽量・低重心風車: これにより、風車を支える浮体部分を小型化できます。
- 回転円筒浮体: 風車の重さや、風によって倒れようとする力(転倒モーメント)を浮体自体で支えるため、大型の軸受が不要になります。
- 傾斜の許容: 適度な傾斜があっても発電量を最大化できる設計のため、浮体をさらに小型化することが可能です。
- 風車・発電機のモジュール分割: 風車や発電機を小さな部品に分けて開発・製造することで、開発のハードルを下げ、国産化を推進しやすくなります。また、連続的な製造や組み立てによる大量生産効果も期待できます。
- 大型クレーンを使わない設置工法: 大規模なクレーンが不要になることで、工事期間が短縮され、風車を組み立てる基地港湾の面積も最小限に抑えられます。
これらの技術は、洋上風力発電のコストを大きく引き下げ、より多くの場所での導入を可能にする可能性を秘めています。

投資家からの期待と今後の展望
今回の資金調達には、株式会社日本政策投資銀行、住友重機械工業株式会社、三菱瓦斯化学株式会社、昭和機械商事株式会社、株式会社アルバクロス、ほくほくキャピタル株式会社、および個人投資家が参加しました。
各投資家からは、FAWTが浮体式洋上風力発電の低コスト化だけでなく、日本国内における風車サプライチェーン(製品やサービスが消費者に届くまでの、原材料の調達から生産、流通、販売までの一連の流れ)の再構築や、カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、実質的な排出量をゼロにすること)の実現に貢献する技術として大きな期待が寄せられています。
日本政策投資銀行の竹森祐樹氏は、「FAWTの開発を通じて国産風車サプライチェーンの構築と新たな海洋産業の創出を目指す当社の挑戦を、引き続き支援してまいります」とコメントしています。また、三菱瓦斯化学株式会社の三枝暢也氏は、材料設計や品質保証の知見を提供し、実証から商用化までを力強く後押しする意向を示しており、FAWTが単なる技術開発に留まらない、産業全体への波及効果が期待されています。
FAWTは現在、小型海上実験機での実証段階であり、今回の資金調達によって大型海上実験機の準備が進められます。この技術が実用化されれば、日本の遠い沖合の風を効率的に電力に変え、エネルギーの自給自足と脱炭素社会の実現に大きく貢献するでしょう。
アルバトロス・テクノロジーは、FAWTの開発を共に進める仲間を募集しています。詳細は以下のURLから確認できます。
会社概要
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会社名: 株式会社アルバトロス・テクノロジー
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代表取締役: 秋元博路
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所在地: 東京都中央区日本橋人形町2-12-5
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設立: 2012年に合同会社として設立、2022年7月に株式会社化
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事業内容:海洋再生可能エネルギーの利用に関する技術開発
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コーポレートサイト: https://www.albatross-technology.com/



