電力網に頼らないEV充電システム、福島県で稼働開始!災害時にも「動ける」社会へ

「完全オフグリッド」とは?災害時にも頼れる独立型エネルギー

「オフグリッド」とは、電力会社の系統電力(送電網)に接続せず、独立して電力を供給するシステムを指します。今回のシステムは、太陽光発電と32kWh(キロワットアワー)の大容量蓄電池(電気を貯めておく装置)を組み合わせることで、電力網が停止する停電時でも、あるいはそもそも電力系統が整備されていない山間部や遠隔地でも、電気自動車(EV)を充電できるのが最大の特徴です。

東日本大震災と原発事故を経験した福島県では、長期間の停電やガソリンなどの燃料供給の困難さを経験しました。そのような大規模災害時において、人や物資の移動に不可欠な車両が動かせなくなる事態は、復旧活動に大きな影響を与えます。このシステムは、非常用電源の確保だけでなく、EVを動かすための「移動のためのエネルギー」を自給自足できるため、災害に強い地域づくりに貢献すると期待されています。

発電・蓄電・EV充電を一体化したスマートシステム

本システムは、主に以下の設備で構成されています。

  • 太陽光パネルを搭載したソーラーカーポート

  • 完全オフグリッド自立運転に対応するパワーコンディショナ(太陽光で発電した直流電力を交流電力に変換する装置)

  • 16kWhの蓄電池2台(合計32kWh)

  • EV充電設備

  • 各設備を連携させる制御システム

ソーラーパネル、太陽光発電、蓄電池、EV充電器

日中は、ソーラーカーポートで発電した電力をEVの充電に利用しつつ、余った電力は蓄電池に貯められます。太陽光が発電していない夜間や発電量が不足する時間帯には、蓄電池に貯めた電力からEVへ充電することが可能です。これにより、平常時においても再生可能エネルギーを最大限に活用し、電力購入量やCO2排出量の削減に貢献します。

専門性を結集した3社の連携

この先進的なシステムは、異なる専門性を持つ3社の連携によって実現しました。

  • AiNERGY株式会社: 福島県を拠点に地域エネルギー事業を展開。今回のシステムを本社事務所に導入し、実際の発電量や蓄電池の充放電状況、EVへの充電量などを検証します。また、福島県から災害時にも移動手段を確保できる地域エネルギーモデルとして、その意義を発信していきます。

  • GCエナジー株式会社: 太陽光発電設備やソーラーカーポートの設計・施工を専門とし、本システムの全体設計と統合を担当しました。

  • REPOストレージ株式会社: 太陽光発電と蓄電池を組み合わせたオフグリッド発電・蓄電システム「オフグリッド三宅モデル」を提供。電力系統に依存しない独立運転が可能なパワーコンディショナおよび蓄電システムを提供しています。

将来への展望:地域レジリエンス強化と普及拡大

今回の福島県での導入は、今後の普及に向けたモデルケースとして位置づけられています。3社は今後、自治体、企業、医療・福祉施設、物流施設、防災拠点など、災害への備えを必要とする様々な場所への導入提案を進めていく予定です。

平常時には環境負荷低減に貢献し、災害時には「移動のためのエネルギー」を確保できるこのシステムは、持続可能で災害に強い地域エネルギーインフラの普及を目指すものです。導入に関する相談や概算シミュレーションも受け付けています。

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