QPS研究所、H3ロケットで小型SAR衛星3機を打ち上げへ!宇宙から地球を「準リアルタイム」で観測する未来

小型SAR衛星「QPS-SAR」が拓く新たな地球観測

QPS研究所が開発した「QPS-SAR」は、従来のSAR衛星の常識を覆す革新的な技術が詰まっています。SAR(合成開口レーダー)とは、電波を使って地表の画像を撮影するレーダーのことで、雲や噴煙を透過し、昼夜を問わず観測できるという特長があります。これにより、これまで天候に左右されがちだった地球観測の課題を解決し、より安定したデータ取得が可能になります。

地球の軌道上を飛ぶ複数の衛星と、夜の都市の光が輝く日本列島を宇宙から捉えたイメージ。

驚異的な小型化と高精細な画像

QPS-SARの最大の特徴は、その小型軽量化と高い性能の両立です。QPS研究所は、収納性が高く軽量でありながら大型に展開するアンテナ(特許取得済み)を開発しました。このアンテナによって強い電波を出すことが可能になり、結果として従来のSAR衛星の20分の1の質量、100分の1のコストで、高精細な画像を取得できる小型SAR衛星の開発に成功しました。現在、民間SAR衛星としては世界トップレベルの46cm分解能の画像取得が可能です。これは、上空から地上の46cm程度の物体を識別できるほどの精度を意味します。

立方体型の本体に太陽電池パネルを備え、その下には展開式の扇状の金色のアンテナまたは反射鏡を持つ衛星のレンダリング画像です。

宇宙で広がる「準リアルタイム観測」の可能性

QPS研究所は、今回の3機に加え、2028年5月末までに24機、そして2030年には大規模な衛星コンステレーション(複数の人工衛星が連携して、高頻度な地球観測を可能にするシステム)を構築する計画を進めています。このコンステレーションが実現すれば、平均10分間隔という準リアルタイムでの観測データ提供サービスが可能になる見込みです。

平均10分間隔での観測は、私たちの社会に大きな変革をもたらすでしょう。例えば、災害発生時には、被災地の状況を迅速かつ詳細に把握し、効果的な救援活動に繋げることができます。また、農業分野では作物の生育状況をリアルタイムでモニタリングし、精密農業に貢献。都市計画やインフラ管理においても、変化をいち早く捉え、より効率的な管理が可能になります。これらのサービスは、現在実用化に向けて開発が進められている段階です。

ライドシェア打上げで効率的に宇宙へ

今回の契約は、H3ロケットによるライドシェア打上げ輸送サービスです。ライドシェアとは、1機のロケットに複数の企業や機関の衛星を同時に搭載して打ち上げる形態を指します。これにより、個別の衛星ごとにロケットを準備するよりもコストを抑え、効率的に宇宙へ衛星を送り出すことが可能になります。QPS-SARは、H3ロケットの主要カスタマーの一つとして地球低軌道への衛星投入が予定されており、打上げ時期等の詳細は決定次第発表されるとのことです。

九州から宇宙産業を牽引するQPS研究所

QPS研究所は2005年に福岡で創業された宇宙開発企業です。「QPS」は「Q-shu Pioneers of Space」の頭文字を取っており、九州から日本の、そして世界の宇宙産業の発展に貢献するという思いが込められています。九州大学での小型人工衛星開発技術を基盤に、宇宙開発のパイオニアである名誉教授陣と若手技術者・実業家が連携し、宇宙技術開発に取り組んでいます。

工場内で数人の男性が大きな傘状の構造物を囲み、その詳細について議論したり検査したりしている様子。

その事業は、北部九州を中心とする全国25社以上のパートナー企業に支えられており、地域に根差した協力体制が強みとなっています。

黒い背景の前で、同じ黒いジャケットを着用した大人数のグループが集合写真を撮っている。中央には「IQPS」のロゴが入った緑色の円盤が掲げられている。

QPS研究所の挑戦は、宇宙利用の新たな可能性を広げ、私たちの社会に計り知れない恩恵をもたらすことでしょう。これからの展開に期待が高まります。

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