歩くAIアバターロボが行政窓口に登場!静岡市清水区役所で「AICO」とご当地VTuberが次世代案内を実証

全国で実績を重ねるAIアバター接客システム「AICO」

今回の実証実験に採用された「AICO」は、AI(人工知能)が搭載された、人間のような見た目のキャラクターが画面やロボットに表示され、音声や文字で対話できるシステムです。これまでにも全国の自治体や大手企業で導入実績があり、2025年度には宮城県より「みやぎ認定IT商品」に認定されるなど、その実用性が評価されています。

「AICO」が選ばれた背景には、AIによる自然な対話品質や多言語対応に加え、自治体ごとの業務に合わせた「ナレッジ設計」(AIが質問に適切に答えるための知識を効率的に整理・構築すること)や、サービスロボットとの連携、導入から運用・改善まで一貫して支援する体制が評価されたものとされています。

AIアバター接客システム「AICO」に関する詳細はこちらをご覧ください。
AIアバター接客システム「AICO」

実証実験の主なポイント

1. 「ロボット」×「AIアバター」による新しい行政案内

清水区役所1階には、「AICO」を搭載した「キオスク端末」(タッチパネルなどが設置され、情報提供や手続きができる無人端末)と、同じく「AICO」を内蔵した自律走行型の受付・案内ロボット「Lanky Mini」が設置されます。

AIアバターとサービスロボットが連携する案内システム

従来の画面設置型がその場で質問に応えるのに対し、自律走行型ロボットは、実空間を自ら動き回ることで、入口付近で立ち止まっている来庁者にAI側から歩み寄って声をかけ、案内することが可能になります。この実証では、画面設置型とロボット型で利用率や案内効果にどのような違いがあるかを比較し、それぞれの利点と課題を検証します。

2. ご当地VTuber「七海 波音」が行政の案内役に

AIアバターの案内役には、清水港をモチーフにしたご当地VTuber「七海 波音」(バーチャルYouTuberの略で、CGなどのアバターを使って活動する配信者)が採用されました。

情報案内所前で報道陣が集まる様子

地域に親しまれているキャラクターが案内役を務めることで、デジタル窓口への心理的なハードルを下げ、子どもから高齢者まで気軽に話しかけられる、親しみやすい行政案内を目指します。

七海 波音に関する情報はこちらで確認できます。
静岡・清水 ご当地Vチューバー「七海 波音」
公式Xアカウント

3. 13か国語以上の多言語案内に対応

キオスク型のAIアバターは、日本語、英語、中国語、韓国語を含む13か国語以上に標準対応します。ロボット型は、日本語、英語、中国語、韓国語の4言語からスタートし、今後対応言語を拡充する予定です。音声で対話できるため、文字入力やデジタル機器の操作が難しい方でも利用しやすい案内が提供されます。

4. 地域の学生とともに「育てるAI」

このプロジェクトは、静岡市と学校法人静岡理工科大学との包括連携協定に基づくものであり、静岡理工科大学情報学部の学生がAIへの知識登録、応答内容の正確性チェック、利用者目線での検証・改善提案に継続的に参加します。完成したシステムを設置して終わりではなく、実際の会話ログや利用状況をもとにAIを継続的に改善することで、AIの運用スキルやノウハウを地域に蓄積していくことも特徴です。

サービスロボットとAIアバターの融合 —「動けるAI」をあらゆる現場へ

今回の実証実験では、「サービスロボット」(人の生活や業務を支援する目的で開発されたロボット)の「Lanky Mini」と、AIアバターソリューション「AICO」が融合することで、これまで画面の中で応対していたAIに「移動できる身体」を持たせ、実空間の中で人に働きかける新しい「フィジカルAI」(AIがロボットなどの物理的な身体を持つことで、現実空間で移動したり、人に働きかけたりする能力を持つシステム)の可能性が検証されます。

総合案内所のカウンターとデジタルサイネージ、案内ロボット

利用者が端末まで足を運んで話しかけるだけでなく、ロボットが自ら利用者に近づき、声をかけ、必要な受付や案内を行う、より能動的なサービス提供が可能になります。この「動けるAI」は、行政窓口だけでなく、商業施設、ホテル、病院、オフィス、観光施設など、幅広い現場での受付・案内・接客業務への発展が期待されています。

株式会社ファーストローンチは、キングソフト株式会社との連携を強化し、ロボティクス技術とAIアバター技術を組み合わせた「AIアバター内蔵サービスロボット」として、ソリューションの高度化と展開を進めていく考えです。

キングソフト社が提供するAI受付・案内・防犯ロボット「Lanky Mini」についてはこちらをご覧ください。
キングソフト社 AI受付・案内・防犯ロボット「Lanky Mini」

新清水庁舎への導入を見据えた実証実験と行政DXへの貢献

静岡市では現在、新清水庁舎の建設に向けた検討が進められています。本実証実験は、現在の清水庁舎でAIアバターとサービスロボットを実際に運用し、案内精度、多言語対応、来庁者の利用状況や反応などを検証することで、新清水庁舎における次世代の市民サービスや、AIアバター・ロボットを活用した行政案内のあり方を検討するための知見やデータを収集します。ただし、この実証事業の結果が、新清水庁舎への本格導入を確約するものではありません。

この取り組みは、「行政DX」(行政サービスや業務をデジタル技術で変革し、より効率的で住民にとって便利なものにすること)の推進にも貢献します。定型的な窓口案内や手続き方法の一次案内をAIが支援することで、職員が相談や判断、個別支援といった「人にしかできない業務」により多くの時間を充てられる環境づくりを目指しています。これにより、住民サービスの向上と職員の業務負担軽減を両立する、持続可能な行政DXの実現に貢献することが期待されます。

実証実験概要

  • 事業名称: 静岡AIアバター推進プロジェクト

  • 実施場所: 静岡市清水区役所(静岡市役所清水庁舎)1階

  • 実施期間: 2026年8月10日~2027年2月末予定

  • 設置機材:

    • AIアバター「AICO」キオスク端末(総合案内窓口横)

    • AIアバター「AICO」内蔵 受付・案内ロボット「Lanky Mini」(出入口付近)

  • 実施内容:

    • 庁舎内の窓口案内

    • 手続きに関する一次案内

    • 音声・文字による多言語案内

    • 画面設置型とロボット型の案内効果の比較検証

  • 参画団体・企業:

    • 静岡市

    • 学校法人静岡理工科大学

    • 清水港振興株式会社

    • 株式会社ファーストローンチ

    • makidai合同会社

    • アオハル合同会社

    • キングソフト株式会社(受付・案内ロボット「Lanky Mini」のハードウェア提供)

静岡AIアバター推進プロジェクトに関する詳細はこちらをご覧ください。
静岡AIアバター推進プロジェクト

今後の展望

株式会社ファーストローンチは、今回の実証で得られる知見を「AICO」のさらなる高度化に活かし、自治体・行政分野におけるAI・ロボティクスの社会実装を推進していくとしています。今後は、「AICO」に加え、AI電話ソリューション「DENCO」、キングソフト株式会社が展開するOrionStar社製サービスロボット、さらに最新の「ヒューマノイドロボット」(人間のような形をしたロボット)など、各種AI・ロボティクスソリューションを自治体ごとの課題に応じて複合的に活用し、行政サービス全体の高度化を目指す方針です。

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