完全自律を待たない!AVITAが「Human-in-the-Loop型フィジカルAI」でロボットを即戦力に

なぜ今、「Human-in-the-Loop型フィジカルAI」なのか?

近年、AIがロボットなどの物理的な身体を通じて現実世界を認識し、判断し、行動する「フィジカルAI」への期待が高まっています。しかし、フィジカルAIを実際の現場で自律的に動かすには、さまざまな状況に対応するための膨大な学習データが必要です。

工場や物流施設、店舗といった場所では、人や物の位置、形、作業状況、周囲の環境が常に変化します。想定外の出来事も多く、こうした実世界でのロボットの学習データは、テキストや画像のように大量に集めるのが難しいのが現状です。そのため、完全な自律性を獲得するまでには、多くの時間とコストがかかってしまいます。

AVITAは、この課題に対し「完全自律化してから導入する」のではなく、「まず現場で働き、そこから自律性を高める」という新しいアプローチを提案しています。

人とAIが協力して進化する仕組み

AVITAが提供するHuman-in-the-Loop型フィジカルAIでは、ロボットがAIの判断に基づいて業務を進めます。もしAIだけでは対応が難しい場面に遭遇した場合、遠隔地にいるオペレーター(操作者)が、必要に応じてロボットの操作や判断を支援します。この「Human-in-the-Loop(人が必要に応じてAIやロボットの判断・操作を支援する仕組み)」という考え方を取り入れることで、現在の技術的なギャップを人が補い、ロボットをすぐに実際の業務に導入できるのです。

さらに、実際の運用を通じて得られた人の操作や判断のデータは、AIの学習に活用されます。これにより、AIが自律的に対応できる範囲が段階的に広がり、人による介入が徐々に減っていくことが期待されます。現場への導入とデータ収集、AIの高度化を同時に進めることで、フィジカルAIの社会での活用を加速させるのが、この取り組みの大きな特徴です。

幅広い分野での活躍が期待されるロボット

このHuman-in-the-Loop型フィジカルAIは、工場や物流施設、店舗など、多様な現場での活用が想定されています。具体的な業務としては、以下のような作業が挙げられています。

  • ピッキング(商品の選び出し)

  • 梱包

  • キッティング(機器のセットアップ)

  • 仕分け

  • 循環棚卸(在庫の定期的な確認)

  • 資材搬送

  • 接客・案内

AVITAの強み:アバター事業で培った実績と技術力

AVITAはこれまで、CGアバター(コンピューターグラフィックスで作られた仮想のキャラクター)を活用した接客・案内サービスを通じて、人が遠隔から業務を行う仕組みを社会に導入してきました。同社のアバター接客サービス「AVACOM」は、国内導入端末数No.1(株式会社東京商工リサーチ調べ、日本国内における「完全自律と有人の両方に対応した アバター接客端末」の導入数、稼働端末数ベース、2026年3月末時点)を誇り、AIと人が連携して業務を行う実運用において業界をリードしてきました。

こうしたサービスの運用を通じて、遠隔でアバターを操作する「アバターパイロット」の採用・教育、業務設計、品質管理など、遠隔操作を安定して運用するための豊富な知見を蓄積しています。今回のフィジカルAIへの展開は、このアバター事業で培われた技術や運用ノウハウを、物理的な身体を持つロボットへと応用するものです。

また、AVITAにはAI、フィジカルAI、ロボティクス、ハードウェアの各分野に専門のエンジニアが在籍しており、ソフトウェアだけでなく、用途や現場環境に合わせたロボットの開発・改良にも取り組んでいます。遠隔運用の知見と、これらの高い開発力を組み合わせることで、ロボットの導入から実際の業務運用までを一貫して支援できるのがAVITAの強みです。

未来への展望:新たな働き方と産業インフラの構築

AVITAは今後、実運用から得られるデータを活用し、AIが自律して対応できる業務や状況を段階的に広げていく計画です。AIの自律性が向上するにつれて、人による介入を減らし、将来的には一人のオペレーターが多数のロボットを支援・管理する「ロボットフリート」(多数のロボットを統合的に管理・運用するシステムや集団)の運用を目指しています。

この取り組みは、遠隔からロボットを支援するオペレーターや、ロボットの運用・教育を担う人材など、新たな仕事や雇用の創出にもつながると期待されています。AVITAは既に国内外で複数のフィジカルAI関連プロジェクトを進めており、今後はさらに多様な現場への導入を広げるとともに、ロボットメーカーやAI企業、事業会社などとのグローバルな連携を強化し、日本発のフィジカルAIによる新たな産業インフラの構築を目指します。

このHuman-in-the-Loop型フィジカルAIの取り組みは、AVITAが展開するAI・制御技術を統合したソフトウェア基盤「AVITA OS」を土台としています。これまでアバター領域で培ってきた技術や知見が、AVITA OSを基盤にロボット領域へと拡張されているのです。

会社名:AVITA株式会社
URL:https://avita.co.jp/