三菱HCキャピタルとShizen Connectが提携:IoTとAIで電力の未来を最適化する「仮想発電所」の実現へ

電力需給の最適化を目指す新たな提携

2026年8月14日、三菱HCキャピタル株式会社と、VPP(バーチャルパワープラント/仮想発電所)プラットフォームを提供する株式会社Shizen Connectは、資本業務提携契約を締結しました。この提携は、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を活用し、電力需給の最適化を通じてエネルギー設備の価値向上を目指すものです。

なぜ今、電力需給の最適化が重要なのか

近年、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入が急速に進んでいます。しかし、再生可能エネルギーは天候によって発電量が変動しやすく、電力の安定供給には需給バランスの調整が不可欠です。特に、企業が保有する低圧発電所や蓄電池、給湯器といった多様なエネルギー設備を効率的に活用し、需給バランスを保つことが求められています。

こうした背景から、分散しているエネルギー源をまとめてコントロールし、あたかも一つの大きな発電所のように機能させるVPP(仮想発電所)が注目されています。VPPは、再生可能エネルギーの出力変動に対応し、エネルギー設備を有効活用するための重要な基盤として期待されています。

提携がもたらす具体的な取り組み

今回の提携に基づき、両社はIoTとAIを活用した最適な制御・運用の検証や共同開発を進めていきます。対象となるのは、低圧発電所、蓄電池、給湯器など、企業が保有する多様なエネルギー設備です。

資本業務提携契約締結時の様子

三菱HCキャピタルの役割

三菱HCキャピタルは、グループ会社であるMHCリニューアブルネットワークスが保有する低圧発電所において、FIP転換(固定価格買取制度から市場価格と連動した売電制度への転換)や蓄電池の併設を進めます。これにより、VPPを活用した電力市場に応じた最適な制御・運用の検証を行います。また、これまで培ってきた低圧発電所の事業運営ノウハウや、多様な設備へのファイナンスの知見を活かし、企業のエネルギー設備を最適に制御・運用するサービスの事業化を推進します。

Shizen Connectの役割

Shizen Connectは、IoTとAIを活用したVPPプラットフォームを通じて、エネルギー設備の統合制御や電力市場に対応した柔軟な運用を支える技術とノウハウを提供します。MHCリニューアブルネットワークスが保有する低圧発電所や、三菱HCキャピタルが保有する多様な設備を活用した実証実験を通じて、企業が保有するあらゆるエネルギー設備に適用できるシステムの高度化を進めます。

未来を拓く「デマンド・レスポンス」サービス

両社は今回の提携を通じて、低圧発電所のFIP転換や、企業が保有する多様なエネルギー設備を活用したDR(デマンド・レスポンス)サービスの構築を目指します。DRとは、電力需要側の電力使用量を制御することで、電力の需要と供給のバランスを調整する仕組みです。これにより、エネルギー設備の価値向上と脱炭素社会の実現に貢献していきます。

この提携は、三菱HCキャピタルがスタートアップ企業とのオープンイノベーションを促進するために運用する「イノベーション投資ファンド」を活用したもので、Shizen Connectが実施するシリーズAラウンドの一環として出資が行われます。

将来への期待

この提携は、現在実証実験の段階にありますが、将来的に実用化が進めば、企業は自社のエネルギー設備をより効率的に活用できるようになり、電気代の削減や新たな収益機会の創出が期待できます。また、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う電力システムの課題を解決し、安定した電力供給とCO2排出量削減に貢献することで、持続可能な社会の実現へ大きく前進することでしょう。