胸部CT画像診断支援AI「EIRL Chest CT」が進化!医師の負担を軽減し、より正確な診断をサポート

開発の背景:増え続けるCT検査と医師の負担

胸部CT検査は、肺がんをはじめとする呼吸器疾患の発見に非常に重要です。近年、被ばく量を抑えた「低線量CT検診」(放射線の量を少なくして行うCTスキャン検査)が普及し、今後検査数の増加が予想されています。これに伴い、1回の検査で生成される画像枚数も増加しており、「読影」(どくえい:医師がCTやX線などの医療画像を詳しく見て、病気の診断をすること)を行う医師にかかる情報処理の負担が大きな課題となっています。

また、肺がん検診のガイドラインでは、検出された肺結節の「2次元長短径の平均径」をはじめとする詳細なサイズ計測や定量評価が求められます。医師は膨大な画像の中から、これらの計測を手作業で行う必要があり、効率化が求められていました。今回の機能拡張は、このような現場のニーズに応えるものです。

新機能のポイント:多角的な定量評価と視認性の向上

1. 計測機能の拡充

胸部CT画像診断支援AI「EIRL Chest CT」の計測機能のイメージ

これまでの2次元長径、体積、CT値の自動計測に加え、新たに「2次元短径(長径に直交する最大径)」「2次元長短径の平均径」「3次元長径」の自動計測に対応しました。これにより、肺がん検診ガイドラインで用いられる診断項目を幅広く網羅し、医師が手作業で行っていた計測の手間を省き、多角的な評価をサポートします。各計測項目は、医療施設ごとの運用に合わせてON/OFFを設定できます。

2. RaySum画像出力機能の追加

胸部X線にRaySum画像とAI解析結果が表示された画像

大量のCT画像を1枚の二次元画像に投影して表示する「RaySum画像」上に、AIの解析結果を表示できるようになりました。これにより、検出された肺結節の三次元的な位置関係を、医師は一枚の画像で一目で把握できます。普段の読影ワークフローに溶け込みながら、AIによる診断補助と医師のダブルチェック体制をスムーズに構築することが期待されます。

医療AI「EIRL」が描く未来

AIを活用した医用画像解析ソフトウェア「EIRL Chest CT」が、肺CT画像から肺結節の候補領域を検出し、医師の診断を支援する様子

今回の機能拡張は、低線量CT検診の普及が進む中で、増加する検査画像に対する医師の精神的・身体的負担を軽減し、診断精度の維持を支援することを目的としています。エルピクセル株式会社は「医療AIですべての人に健康な未来を」を掲げ、画像診断支援AI「EIRL(エイル)」シリーズの開発・社会実装を進めています。

「EIRL」シリーズは、胸部X線、CT、内視鏡、MRIなど様々な医療画像を解析し、医師が効率的かつ正確な診断を行える環境を提供しています。これまでに大学病院から診療所まで1200施設以上に導入され、全国47都道府県で活用されており、総解析件数は1600万件を突破しています(2026年2月末時点、トライアル含む)。

医療AIの進化は、医師の専門知識とAIの高速処理能力を組み合わせることで、より質の高い医療を多くの人々へ届ける可能性を秘めています。今後も、このような技術革新が医療現場にもたらす影響に注目が集まります。