JAXA・SPACETIDE共催「地域産業×宇宙 Action Forum」開催!宇宙ビジネスで地域を活性化するエコシステムとは?

オープニングセッション:地域と宇宙産業をつなぐ

イベントの冒頭では、JAXAから地域における宇宙ビジネスの現状や、地域と宇宙産業の関わりの歴史、そして今後の連携の可能性について説明がありました。特に、自治体、企業、大学、支援機関など、さまざまな立場のプレーヤーが協力し、地域に根差した宇宙産業のエコシステム(多くの主体が連携し、互いに利益をもたらしながら成長していく仕組み)を形成していくことの重要性が強調されました。

JAXAのオープニングトークで登壇する男性

SPACETIDEからは、宇宙産業におけるコミュニティ形成、人材育成、産業連携に関する取り組みが紹介されました。本フォーラムの目的として、地域や立場を超えて課題や関心を共有し、新たな連携や具体的な行動につながる場を作ることの重要性が示されました。

地域における宇宙産業のエコシステム概念図

SPACETIDEの取り組み紹介で登壇する男性

パネルセッション:先行地域の実践と課題

パネルディスカッションでは、岐阜県、山口県、福島県の登壇者が、それぞれの地域特性を活かした宇宙産業振興の取り組みを紹介しました。

  • 岐阜県:航空宇宙産業の集積を活かし、産学官連携による企業支援や人材育成の取り組みが紹介されました。地域内だけでは不足する技術領域もあるため、県域を超えた企業連携の重要性が共有されました。

  • 山口県:衛星データ(地球観測衛星などが宇宙から取得する画像や位置情報などのデータ)活用を起点とした研究会運営から実証、事業化支援までの取り組みが紹介されました。一方で、実証後の事業化や他地域への展開、利用者側の理解促進などが課題として挙げられました。

  • 福島県:宇宙スキル標準を活用した人材育成の取り組みが紹介されました。地域企業と宇宙産業をつなぐ人材育成の重要性や、情報共有の場づくりについても意見が交わされました。

議論の中では、次世代宇宙システム技術研究組合の山口氏より、地域企業の技術と宇宙産業のニーズを結び付ける「翻訳機能」(地域企業の持つ独自の技術やノウハウを、宇宙産業のニーズに合わせて具体的に提案できる能力や、その仲介役)の重要性や、企業間のマッチングにとどまらず、事業化まで伴走する支援体制の必要性についても意見が交わされました。さらに、宇宙ビジネスへの参入・定着を支える仕組みとして、企業間の橋渡しや事業化支援、資金面でのサポートを担う「専門商社」のような機能(宇宙ビジネスへの参入を検討している企業と、宇宙産業のニーズや技術を持つ企業を結びつけ、事業化や資金調達までを一貫して支援する役割を果たす組織や機能)の必要性も示されました。

パネルセッションで議論する登壇者たち

ワークショップ・交流会:次のアクションへつながる対話

ワークショップでは、参加者が地域ごとのグループに分かれ、それぞれの取り組みや課題を共有しました。自治体、支援機関、金融機関、企業、研究機関など、多様な立場の参加者が対話を通じて理解を深め、課題解決に向けた連携の可能性について意見交換を行いました。

ワークショップ後の交流会でも活発な意見交換が続き、参加者からは「今後取り組みたいアクションや検討したいテーマが見つかった」「連携に向けて継続対話をしたい相手が見つかった」といった声が寄せられました。この場が、参加者同士の新たなつながりを生み、具体的なアクションにつながる機会となったことが伺えます。

交流会で活発に意見交換する参加者たち

Action Forumは継続開催へ:地域における宇宙産業エコシステム形成に向けて

本フォーラムでは、各地域の実践事例や課題が共有されただけでなく、地域における宇宙ビジネスの創出・定着に必要なプレーヤーや機能についても議論が深まりました。アンケートでは、参加者の約9割が本フォーラム全体に「満足」以上と回答し、第2回以降の継続開催への高い期待が示されました。

JAXA新事業促進部では、今後も本フォーラムを継続的に開催し、地域における宇宙産業エコシステムの形成を促進していく方針です。各地域の強みや課題を共有し、不足している機能やプレーヤーへの気づきを得ることで、新たな連携や事業創出につながる場となることが期待されます。

フォーラムに参加した多くの人々