環境に優しいCO2冷媒「R-744」搭載の環境試験器が欧州市場へ
地球温暖化対策が世界中で加速する中、欧州連合(EU)では2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロを目指し、環境規制が強化されています。特にフッ素系温室効果ガス(Fガス)に関する規制は厳しさを増しており、環境負荷の低い冷媒への移行が求められています。
こうした背景の中、エスペック株式会社は、欧州の厳しい環境規制に対応したCO2冷媒「R-744」を搭載した環境試験器のラインアップを拡充し、計8器種を欧州市場向けに発売しました。これにより、製品開発の現場においても、より環境に配慮した試験が可能になります。

なぜCO2冷媒「R-744」が「すごい」のか
今回採用されたCO2冷媒「R-744」の最大の特長は、その地球温暖化係数(GWP)の低さです。
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Fガス規制: EUが定めている、フッ素系温室効果ガス(Fガス)の段階的な削減と、Fガスを使用する機器の販売を制限する規則です。環境試験器においては、GWP値150以下の冷媒の使用が求められています。
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GWP(Global Warming Potential): 地球温暖化係数と訳され、二酸化炭素を基準(GWP値1)として、他の温室効果ガスが地球温暖化にどれだけ影響を与えるかを示す指標です。この値が小さいほど、環境への負荷が低いことを意味します。
新製品に搭載されたCO2冷媒「R-744」のGWP値は「1」であり、これは基準となる二酸化炭素と同じ値です。従来の製品が使用していた冷媒R-449AのGWP値が1,397であったことを考えると、その環境負荷は大幅に低減されています。これは、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を最小限に抑える画期的な進歩と言えるでしょう。
環境性能と試験性能の両立
環境負荷を最小限に抑えながらも、これらの新しい環境試験器は、従来品と同等の優れた温湿度制御性能を維持しています。これにより、以下のようなグローバルな試験規格に準拠した試験をこれまで通り行うことが可能です。
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IEC 60068-2-30、2-38に準拠した温湿度サイクル試験
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IEC 60068-2-14Nbに準拠した温度変化試験
また、国際安全規格にも対応しており、機械安全(ISO 12100)、機械の電気装置(IEC 60204-1)、電磁両立性(EMC:IEC 61000-6-2、IEC 61000-6-4、EN 55011)に適合し、RoHS指令・圧力機器指令にも準拠しています。
拡充された製品ラインアップ
今回、欧州市場向けに発売されたのは以下の計8器種です。
低温恒温(恒湿)器「プラチナスJシリーズ」(4器種)

ハイパワー恒温(恒湿)器「ARシリーズ」急速温度変化タイプ(4器種)

これらの製品は、自動車部品、電子機器、新素材など、さまざまな分野の製品開発において、厳しい環境条件下での耐久性や信頼性を評価するために活用されます。環境に配慮しつつ、高品質な製品を生み出すための重要なツールとなるでしょう。
未来を見据えた取り組み
エスペック株式会社は、中期経営計画「PROGRESSIVE PLUS 2027」(2025~2027年度)において、欧州市場を先端技術分野のニーズ獲得を目指すエリアと位置づけています。今回のCO2冷媒搭載環境試験器の発売は、その戦略の一環であり、今後も環境配慮型製品をはじめとする製品ラインアップを拡充し、欧州市場でのさらなる成長を目指していくとのことです。
地球に優しい技術が、私たちの生活を支える製品の品質向上に貢献し、持続可能な社会の実現に向けた一歩となることに期待が寄せられます。



