「AIネイティブ大学」とは?
近畿大学が目指す「AIネイティブ大学」とは、単に生成AIサービス(大量のデータから学習し、人間のように文章や画像を生成できる人工知能)を導入するだけでなく、学生や教職員が生成AIを日常的かつ適切に活用し、教育、学生支援、大学運営、研究の仕組みそのものを継続的に改善していく大学です。この取り組みは、国内の高等教育における新たなAI活用モデルの構築を目指しています。
約2万1千人が利用する「Google AI Pro for Education」
本協定に基づく具体的な取り組みとして、全16学部の1・2年生19,033人、および教職員2,105人、合わせて21,138人を対象に、教育機関向けGeminiアプリケーションの有償版である「Google AI Pro for Education」のライセンスを導入します。これにより、学生は専門教育や研究・制作活動に、教職員は文書作成や情報整理といった業務に、生成AIをより深く活用できるようになります。
4つの主要な取り組みで大学の未来を拓く
近畿大学は、Google Cloudとの連携を通じて、以下の4つの領域で生成AIを活用した具体的な取り組みを進めます。
1. AI人材育成モデルの確立
令和9年(2027年)4月からは、全学部で情報リテラシー関連科目を必修化します。これにより、学生は生成AIの仕組み、ファクトチェック、著作権、情報セキュリティ、学術公正などについて学ぶ機会を得ます。Googleが開発した高性能な生成AIモデルであるGeminiなどを目的に応じて適切に活用できる力を育成し、専門教育や研究・制作活動に応用できるAI人材の育成を目指します。
2. AIネイティブ大学運営モデルの共同構築
大学の業務プロセスを、生成AIの活用を前提に再設計します。問い合わせ、申請、決裁、文書作成、情報検索、会議運営など、多岐にわたる業務において効率化を図ります。また、Gemini Enterprise(企業向けの高度なAI機能を提供するGoogleのサービス)のAIエージェント機能(特定のタスクを自律的に実行するAIプログラム)を活用し、複数のシステムやデータを横断した業務の自動化・高度化の可能性を検証していきます。
3. AIを活用した「24時間学生支援モデル」の構築
令和8年度(2026年度)後期の授業開始に合わせて、学生支援窓口のオンライン化に向けた移行トライアルを開始します。AIチャットボット、オンライン問い合わせフォーム、予約制相談を組み合わせることで、学生は時間や場所を問わず必要な情報にアクセスできるようになります。AIエージェントによる問い合わせ内容の把握、担当部署への振り分け、職員への引き継ぎといった一連の業務の実現可能性も検証し、よりスムーズな学生支援を目指します。
4. 研究者とAIが協働する「次世代研究支援基盤」の構築
Gemini EnterpriseやBigQuery(Google Cloudが提供する高速なデータ分析サービス)などのGoogle Cloudサービスを活用し、全学的な研究支援基盤の構築を目指します。この基盤は、論文や研究情報の収集、先行研究の整理、研究データの分析、共同研究者の探索などを支援し、研究者がより効率的かつ高度な研究活動を行える環境を提供します。
未来への期待
近畿大学長の松村到氏は、「AIを使いこなし、人にしかできない発想や判断、対話を通じて、新しい価値を生み出せる人材へと成長してほしい」とコメントしています。また、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社の執行役員である和泉綾志氏は、「最先端のAI技術とセキュアなデータ基盤を提供し、AIスキルを実践的に学べる教育・研究環境づくりを支援する」と述べています。
近畿大学は、Google Cloudとの共創を通じて、学生、教職員、研究者が安心・安全にAIを活用し、新しい価値を生み出し続ける大学へと進化していくでしょう。実学教育を進化させながら、これからの高等教育の新しい姿を切り拓いていくことに期待が寄せられています。
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