フィジカルAIとは?なぜ「実機データ」が重要なのか
近年、「VLA(Vision-Language-Action)」と呼ばれる、視覚(見る)、言語(理解する)、行動(実行する)を統合してロボットが学習・判断するような、高度なフィジカルAI・ロボティクス技術の開発が進んでいます。
このようなAIモデルを開発し、学習させるためには、一般的な画像やテキストデータだけでなく、ロボットが実際に動いた際の映像、センサーの情報、周囲の環境との相互作用といった、現実世界から得られる様々な種類のデータ、つまり「マルチモーダルデータ」が不可欠です。
例えば、ロボット自身の視点から見た映像データ「Egocentric Data」や、ロボットアームの関節の角度や位置情報、深度情報などを組み合わせることで、ロボットが人間の動きを真似て学習する「模倣学習(Imitation Learning)」などに活用できます。
しかし、実際のロボットを使ってこれらのデータを集める作業は、多くの専門知識と設備が必要です。ロボットやセンサーの準備、遠隔操作(テレオペレーション)、データ収集環境の設計、データに意味付けを行う「アノテーション」、そして品質評価など、多岐にわたる専門技術と運用ノウハウが求められます。
豊洲データファクトリーは、こうしたフィジカルAIやロボット開発に欠かせない実機データの収集から、アノテーション、品質評価、データセットの構築までを一貫して支援することで、フィジカルAIの研究開発と社会での実用化をデータ面から加速していく役割を担います。

開設記念セレモニーで「日本のPhysical AI戦略」を議論
豊洲データファクトリーの開設を記念し、2026年8月21日にオープニングセレモニーが開催されました。AI・ロボティクス分野の企業や研究機関から多くの参加者が集まり、施設の取り組みや、フィジカルAIの未来について活発な意見交換が行われました。
APTO代表取締役CEOの高品良氏は、AIモデルだけでなく、実際にロボットを動かして得られる高品質な実機データが、フィジカルAI開発において極めて重要であると説明しました。豊洲データファクトリーを通じて、AIモデルを支える「データ」の観点からフィジカルAIの実用化を支援していく方針が示されました。

また、参議院議員でロボット議員連盟事務局長を務める山田太郎氏からは、日本のAI・ロボティクス戦略が紹介され、国内外の最新動向を踏まえた今後の技術開発や社会実装の方向性が語られました。
「日本のPhysical AI戦略」パネルディスカッション
セレモニーの目玉の一つとして、「日本のPhysical AI戦略」をテーマにしたパネルディスカッションが行われました。山田太郎氏に加え、NVIDIAロボティクス事業部事業部長の平野一将氏、トヨタ自動車未来創生センターの土永将慶氏、そしてAPTO代表取締役CEOの高品良氏が登壇し、フィジカルAIの社会実装における課題や、日本企業が持つ現場固有のデータをAI学習にどう活かすかについて議論が交わされました。

議論の中では、AIモデルやロボット単体の性能だけでなく、実際の現場で得られるデータを継続的に収集し、学習・評価に繋げて改善していく仕組みの重要性が強調されました。さらに、日本の製造業や物流現場に蓄積された作業ノウハウや知見を、AIが学習できる高品質なデータとして活用することの重要性も指摘されました。
実機ロボットによるデータ収集デモンストレーション
セレモニー後半には、ロボット議員連盟会長の山際大志郎氏も参加し、交流会が開催されました。参加者は自由に実機ロボットを操作できる体験の機会も設けられ、実際にロボットに触れてその動きを体験しながら、フィジカルAIやロボット技術、データ活用について理解を深めました。

高品質な実機データを生み出す「Physical AI Data Factory」へ
APTOはこれまで、AI開発において最も成果を左右するといわれる「データ」に焦点を当て、データ収集、アノテーション、データ整備を通じて様々なAI開発を支援してきました。フィジカルAIの分野においても、これらの知見を活かし、単にデータの「量」だけでなく、実際の現場で求められる作業や環境に即した「高品質なデータ」を構築することで、フィジカルAIの研究開発と社会実装を支援していきます。
今後、豊洲データファクトリーを起点として、対応可能なロボットの種類や作業内容、データの種類を順次拡大していく予定です。また、実機から収集したデータを効率的に学習・評価へ繋げるための「データパイプライン」の整備も進め、フィジカルAIの研究開発から社会実装までを、データという側面から強力に支えていくことを目指しています。

APTOの取り組みおよびオープニングセレモニーの様子は、ロボット・AI情報メディア「ロボスタ」でも紹介されています。
- ロボスタ掲載記事「ロボット議連、NVIDIA、トヨタらが『日本のフィジカルAI戦略』を議論 APTOが豊洲ラボ開設、データファクトリー構想を推進」: https://robotstart.info/article/2026/09/02/382356.html
株式会社APTOは、AI開発における「データ」を核とした支援サービスを提供しており、データ収集・アノテーション、データプラットフォーム、データパートナー事業を中核に、RAGやAI-OCRなどのAI受託開発、豊洲データファクトリーを拠点としたロボティクスデータ開発、LLM向け安全性データセットや指示追従データセットの開発など、幅広い領域でAI開発を包括的に支援しています。
APTOの詳細については、以下のウェブサイトをご覧ください。
- APTO HP:https://apto.co.jp/
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