北海道音更町で自動運転バスとシェアサイクル実証事業が開始、未来の地域交通を検証

自動運転バスで「パーク&ライド」を検証

実証事業では、まず自動運転バス(自動運転レベル2)を導入し、道の駅おとふけの駐車場混雑緩和効果を検証します。

具体的には、音更町生涯学習センターの駐車場を予備駐車場とし、道の駅おとふけ「なつぞらのふる里」との間を自動運転バスが運行します。これにより、自家用車を予備駐車場に停め、そこからバスに乗り換える「パーク&ライド」という交通手法による交通分散効果を検証します。また、利用者アンケートを通じて、新しい交通手段が地域社会にどれだけ受け入れられるか(社会受容性)も評価されます。

音更町の自動運転バス運行ルート

運行は2026年10月1日から10月14日までで、料金は無料、予約不要で利用できます。使用される車両は日野ポンチョで、自動運転レベル2に対応しています。自動運転レベル2とは、運転者が常に監視することを前提に、システムがアクセル・ブレーキやハンドル操作の一部を支援し、必要に応じて運転者が介入する形式です。

さらに、バスの安全かつ安定した運行を支援するため、NTTドコモが提供する法人向けモバイル通信サービス「5Gワイド」が活用されます。これは、広域エリアで安定した高速・大容量通信を実現するもので、車両から送られるカメラ映像や車両情報を遠隔監視拠点へリアルタイムに伝送します。これにより、運行中の車両を常にモニタリングできる遠隔監視体制を構築し、将来的な自動運転レベル4(特定の条件下で運転者の常時監視なしにシステムが全ての運転操作を行う)の運行管理手法の検証も行われます。

シェアサイクルで地域周遊を促進

同時に、シェアサイクルも導入され、地域周遊の促進効果が検証されます。道の駅おとふけ「なつぞらのふる里」、音更町生涯学習センター、共栄コミュニティセンターの3か所にサイクルポートが設置され、電動アシスト自転車25台が運用されます。

利用期間は2026年10月1日から10月31日までで、料金は165円(税込)/30分です。スマートフォンアプリを使って無人で貸し出し・返却ができるため、手軽に利用できます。自転車の利用履歴やGPSデータ、アンケート結果を分析することで、地域内での潜在的な移動ニーズを把握し、公共交通との連携や将来的な事業化の可能性が探られます。

各者の役割と今後の展望

この実証事業には、以下の企業・自治体がそれぞれの役割を担って参画しています。

企業名/自治体名 役割
NTTドコモビジネス 本実証の全体統括、実証・実装計画の策定およびネットワーク環境の調査・整備、データ活用支援
音更町 本実証の実施主体、関係機関との調整支援
北海道拓殖バス 自動運転バス運行、運転手・遠隔監視員の手配
十勝バス 遠隔監視体制への参画
先進モビリティ 自動運転車両・自動運転システムの提供、実証運行・管理、実証・実装計画支援
ドコモ・バイクシェア シェアサイクルの提供
ポロクル シェアサイクル運営支援

各者は、この実証事業で得られた自動運転バスの運行データ、シェアサイクルの利用実績、利用者アンケート結果を詳細に分析します。これにより、音更町の観光客の周遊実態や隠れた移動ニーズを明らかにし、持続可能な地域交通の実現に向けた検討を進めていきます。さらに、地域交通事業者との連携を通じて知見を蓄積し、将来的な自動運転レベル4の社会実装や、地域交通サービスのさらなる高度化に向けた取り組みを推進する計画です。

この実証事業は、観光庁の「オーバーツーリズムの未然防止・抑制をはじめとする観光地の面的受入環境整備促進事業」の一環として実施されています。詳細はこちらをご覧ください。

観光庁の事業について: https://ot-kankoseibi.go.jp/#application

音更町での取り組みは、未来の地域交通がどのように進化し、地域の課題解決に貢献できるのかを示す重要な一歩となるでしょう。観光客にとっても、より便利で快適な移動手段が提供されることに期待が寄せられています。