国産セミヒューマノイド「ugo Nova」発表!フィジカルAI時代を切り拓く双腕ロボットの全貌
ugo株式会社は、フィジカルAI時代に向けた国産セミヒューマノイド「ugo Nova」を発表しました。このロボットは設計から製造までを国内で行い、2027年に量産開始を予定しています。フィジカルAI(現実世界でロボットが動き、人や物と関わりながら学習・判断・行動するAI)の社会実装を推進し、多様な産業現場での活用を目指します。

ugo Novaとは?人の作業空間で活躍する次世代ロボット
ugo Novaは、人が働く環境で多様な作業を担うことを目的に開発された、車輪移動型の双腕セミヒューマノイド(人の形に近い、あるいは人のように腕や上半身を持つロボット)です。製造業、工場、倉庫といった現場で、移動、認識、アーム操作を一体化した作業を実現します。
このロボットは、フィジカルAIの研究開発やデータ収集・モデル検証のためのプラットフォームとして利用できるだけでなく、実際の業務への導入・運用までを見据えて設計されています。これにより、研究開発から現場での社会実装までを一台でつなぐ役割を果たすことが期待されます。

ugo Novaの「すごい」ポイント
1. フィジカルAI学習に直結するデータ収集能力
ugo Novaは、フィジカルAIの学習に必要な視覚データを効率的に取得できるよう、頭部とハンド部にカメラを標準搭載しています。アーム制御は100Hz(1秒間に100回制御)という高い周期に対応し、高速かつ滑らかな動作を高精度に記録できます。
さらに、バイラテラルコントローラ(ロボットの動きを操作する装置で、操作者の手元にロボットからの力覚を伝えるもの)やVRコントローラ(仮想現実空間でロボットを操作する装置)を用いたテレオペレーション(遠隔操作)に対応。操作者の動きを直感的かつ忠実にロボットへ反映させながら、その一連の操作をAIの教師データ(学習に使う正解データ)として記録できます。特別な機器を追加することなく、すぐにフィジカルAI向けのデータ収集を開始できるのが大きな強みです。
2. 人と同じ姿勢で作業できる高い身体能力
ugo Novaは、人の腕に近い自由度(関節が動ける方向や軸の数)を備えた双腕と、上体の旋回・屈伸が可能な腰部の多関節機構を搭載しています。これにより、床面付近の物品の取り扱いから頭上の棚へのアクセスまで、幅広い高さや姿勢での作業に対応します。
可搬重量(持ち運べる最大の重さ)は片腕あたり最大4kg、双腕では最大10kgを実現。製造現場や倉庫での搬送、ピッキング、ハンドリングなど、多岐にわたる作業への適用が可能です。
3. 安定性と長時間稼働を両立する移動機構
移動機構にはメカナム方式(特殊な車輪で前後左右、斜め、その場での回転など、あらゆる方向へ自由に動ける方式)を採用しています。これにより、狭い通路や設備が密集した環境でも柔軟に移動できるほか、双腕で力を加える作業時にも安定した姿勢を維持します。また、最大6時間の連続稼働に対応しており、製造現場や倉庫などでの長時間運用が可能です。
4. 高性能な頭脳「NVIDIA Jetson Thor™」によるエッジ推論
最新のロボティクス向けAIコンピューター「NVIDIA Jetson Thor™」を本体に搭載しています。この高い演算性能を活用することで、学習済みのAIモデルをクラウド(インターネット上のデータセンター)に依存せず、ロボット本体(エッジデバイス)上でリアルタイムに推論・実行できます。これにより、カメラなどのセンサー情報をその場で処理し、認識から判断、動作までを低遅延で実行するフィジカルAIの実現が可能になります。

未来を拓くロボット基盤モデル開発の流れ
ugo Novaは、「データを集める」だけでなく「モデルを動かす」ことも一台で対応できるのが特徴です。その開発プロセスは以下の通りです。
- 作業実演・データ収集: オペレーターがugo Novaを操作し、学習させたい動作を実演。操作中の映像、関節情報、トルク(力の情報)、エンドエフェクタ位置、操作指令など、マルチモーダルデータ(複数の種類のデータを組み合わせたもの)を時刻同期して収集します。
- AIモデル学習: 収集したデータを品質管理してデータセット化し、ロボット基盤モデル(大量のデータから学習し、様々なタスクに対応できる汎用的なAIモデル)の追加学習に活用します。
- 実機適用・検証: 学習したAIモデルをugo Novaに適用し、実環境で推論・動作させて性能を評価します。
これにより、研究用途にとどまらず、実際の現場でAI推論に基づいた作業を実行できる可能性が広がります。

ugo Novaが描く未来
ugo株式会社は、ugo Novaを起点に現場で収集したデータを蓄積・活用し、模倣学習(人間の動きをロボットが真似して学習するAIの手法)やロボット基盤モデルの開発を通じて、ロボットが対応できる作業の拡大と段階的な自律化を進めていくとしています。
また、ハードウェアの提供にとどまらず、データ収集、導入・活用コンサルティング、AIモデルの開発・評価・実装支援までを一体で提供し、フィジカルAIの研究開発から現場実装までを包括的に支援する体制を構築していく方針です。
開発を支える協力体制
ugo Novaの開発、機構設計および製造はugo株式会社が担当しています。意匠デザインは株式会社GK京都が手がけ、フィジカルAI向けデータ収集に使用するバイラテラルコントローラはアスラテック株式会社が開発を担当しています。
ugo株式会社について
ugo株式会社は、国産AIロボット「ugo」シリーズと、複数のロボットを統合管理する「ugo Platform」を開発・提供するロボティクス企業です。オフィスビルや商業施設での巡回・監視、プラントや発電所での設備点検、駅や商業施設でのLLM(大規模言語モデル)を活用した対話型案内など、人手不足が深刻化するさまざまな現場の自動化・省人化を支援しています。
ugo Novaに関する詳細情報はこちらで確認できます。

ugo株式会社の代表取締役CEOである松井 健氏は、「ugo Novaは、これまでのサービスロボットで培った技術を基盤としつつも、フィジカルAI時代を前提にアーキテクチャから再設計した国産セミヒューマノイドです。人の作業から学び、AIによって進化し、その成果を再び現場へ還元する循環をつくる。ugo Novaを起点に、ロボット、データ、AIモデルを一体として進化させ、日本の産業現場で本当に使われるフィジカルAIを社会実装していきます。」とコメントしています。
ugo Novaは、日本の産業現場が直面する課題に対し、ロボットとAIの力で新たな解決策をもたらす可能性を秘めています。2027年の量産開始が、日本のものづくりや物流の未来を大きく変える一歩となるでしょう。



