フィジカルAIプラットフォームとは
「フィジカルAI」とは、AI(人工知能)が現実世界を認識し、理解し、判断を下し、その判断に基づいてドローンやロボットといった機器を通じて実際に行動する技術です。このプラットフォームは、現実世界の情報をデジタルツイン(現実世界の物体やシステムを仮想空間に再現する技術)や各種センサーと連携させることで、現実世界での作業を自動化し、より高度なものにすることを目指す次世代AI技術として注目されています。
プロジェクトの具体的な取り組み
本プロジェクトでは、エクサがデジタルツインやCPS(サイバーフィジカルシステム:現実世界と仮想世界を連携させるシステム)を核としたプラットフォーム開発を担います。一方、エアロネクストは、現実世界におけるデータ取得を担うドローンおよびその自律・遠隔運航技術を提供します。さらに、株式会社Forcesteed Roboticsと連携し、AIによる認識・推論技術を活用することで、現実世界とサイバー空間をつなぐフィジカルAIの実現を目指します。
最初の対象となるのは、船舶の保守・点検業務です。この分野では、ドローンによるデータ取得、AIによるデータ認識・分析、そしてデジタルツイン上での可視化を組み合わせた、新しい点検の仕組みが開発・検証されます。
エアロネクストの技術と貢献
エアロネクストは、独自の機体構造設計技術「4D GRAVITY®」(飛行中の安定性・効率性・機動性を向上させる技術)や、AIを活用して飛行制御・異常検知・画像認識などを実現する「AIフライトコントローラ」といった先進的なドローン技術を保有しています。これまで物流分野で培ってきたドローンオペレーション技術を基盤に、現在は農業、医療、危機管理、インフラ点検など多様な産業分野への展開を進めています。
このプロジェクトにおいて、エアロネクストは、人が立ち入りにくい狭い空間や高所でも安全かつ安定して飛行できるドローンの機体設計・選定、自律飛行・遠隔運航技術、そして将来的なAIを活用した運航高度化に関する専門知識を提供します。乾ドック内や狭隘な船内環境を想定したドローンの機体選定や設計支援、自律・遠隔制御技術に関するアドバイザリーを担うことで、危険作業の削減や点検業務の効率化に貢献します。
将来的な展望
エアロネクストは、「人生100年時代の新しい社会インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る世界へ。」をミッションに掲げ、低空域を活用した新たな社会インフラの構築を推進しています。これまでの物流分野での新スマート物流「SkyHub®」の社会実装に加え、以下のような分野でもドローン技術や低空域インフラの活用を進めています。
今回のエクサとの取り組みは、この流れをさらに発展させるものです。本プロジェクトで得られるフィジカルAIプラットフォームに関する技術や知見は、船舶保守・点検にとどまらず、橋梁、プラント、発電設備、物流施設、災害対応など、危険作業を伴う幅広い産業分野への展開が視野に入れられています。
エアロネクストは今後も、AI、ロボティクス、デジタルツインを融合したフィジカルAIの社会実装を推進し、安全で持続可能な社会インフラの実現に貢献していくとしています。この研究開発段階のプロジェクトが、私たちの社会にどのような革新をもたらすのか、今後の進展が期待されます。



