養殖を支える「選別」作業の重要性と課題
近畿大学は、1960年代からマダイの養殖研究に取り組み、優良な稚魚(人工種苗:養殖のために人工的に育てられた稚魚や稚貝のこと)を全国の養殖業者に供給してきました。現在、年間約1,500万尾ものマダイ稚魚が出荷されています。
これらの稚魚を出荷する前には、熟練の専門作業員による選別作業が不可欠です。形態異常や生育不良の個体を取り除き、一定の基準を満たす魚だけを選り分けるため、多くの検査項目を目視と手作業で確認します。この作業には高度な経験と集中力が求められるため、作業の平準化や自動化、そして技術継承の効率化が長年の課題でした。
AIとロボットで「選別」の未来を切り拓く
近畿大学水産研究所は、この課題を解決するため、10年以上前から自動選別装置の開発を進めてきました。2023年には、ポンプでくみ上げられたマダイ稚魚をベルトコンベアで移動させ、その際に撮影した画像をAIで解析する装置を開発しました。設定された選別基準から外れる稚魚を形態異常個体と判別し、ロボットアームで除去するという仕組みです。この装置は現在、実用化に向けた実証実験の段階にあります。
今回、この自動選別装置の精度をさらに向上させ、実際の養殖現場で継続的に運用できるようにするため、パナソニック コネクトグループが提供する協働ロボット制御サービス「Robo Sync for Cobot(ロボ シンク フォー コボット)」を試験導入します。「Robo Sync for Cobot」は、複数のメーカーの協働ロボット(人間と同じ空間で作業できるよう設計されたロボット)や周辺機器を、プログラミングの知識がなくても(ノーコードで)簡単に制御できるサービスです。
この連携により、画像解析の精度を高め、ロボットアームの動きをより精密に制御することで、自動選別装置の性能が大きく向上することが期待されます。
養殖現場にもたらされる未来
この自動選別装置が実用化されれば、養殖現場に大きな変革をもたらすでしょう。
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作業負担の軽減: 専門作業員が担っていた高度な選別作業をロボットが代行することで、身体的・精神的な負担が大幅に軽減されます。
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技術継承の効率化: 熟練の技術を習得するのに長期間を要していた課題が解消され、効率的な技術継承が可能になります。
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選別の平準化: 人間の目視では避けられない個人差がなくなり、常に一定の品質基準で選別が行えるようになります。
現在はまだ実用化に向けた改良の段階ですが、養殖現場で実際に運用しながら精度を高めていくことで、近い将来、この技術が日本の養殖業を大きく支えることでしょう。これにより、安定した品質のマダイが食卓に届けられるだけでなく、持続可能な水産業の実現にも貢献することが期待されます。
関連情報
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近畿大学
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ホームページ: https://www.kindai.ac.jp
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水産研究所: https://www.kindai.ac.jp/rd/research-center/aqua-research/
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水産養殖種苗センター: https://aqua-seed.kindai.ac.jp/
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パナソニック コネクトグループ
- ホームページ: https://connect.panasonic.com
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株式会社アーマリン近大
- ホームページ: https://www.a-marine.co.jp/



